Deluxe Edition (文春文庫 あ 72-1)
Deluxe Edition (文春文庫 あ 72-1) / 感想・レビュー
hit4papa
突然始まり、突然終わる、ストーリーを語り難い短編集です。初期の頃の作品よりは観念的なわかり難さはなくなって、話の筋道は明快なのだけれど、好みに合わない人は多いんだろうなと思います。筒井康隆の実験的な作品とまではいかないものの、イイ感じに近づいているのではないでしょうか。真実の愛を求める中年男が出逢った女は「Just Like a Woman」、身体を売る少女たちの最後の仕事「The Nutcracker」等々。はっとするような残酷さ孕んでいて、かなり好みではあります。タイトルのあざとさはさておいて。
2018/09/02
緋莢
『キャプテンサンダーボルト』の文庫を読んだので、阿部和重の本を読んでみようと手に取ってみました。12編が収録された短編集。1話目の「Man in the Mirror」は人類そっくりな未知の猿が発見されて、という導入に面白そう!と掴まれたんですが、あっさり終わってしまい、あれ?となりました。以降も自分には???な話が多く、「Life on Mars」は理解できたかな~と思ったら、救われない話でした。 自分にはあわなかったようです。
2018/01/09
niisun
川上未映子さんからの流れで手に取ったので、阿部和重さん初読です。著者初の短編集のようで、この作品から入ったのが、良かったのか悪かったのか…。「彼はこういう作品を書く作家なのかぁ」という感想を持つ程度でしたが、個人的には、あまり興味を惹かれる部類の作風ではなかったです。世の中の暗部にふれつつ、肩透かしを喰らわせるような展開に仕上げる作品で、題材こそ、私の好きなウディ・アレンの映画のようではあるものの、軽快さに欠けていて、湿っぽさやベタつき感が残る話の連続でした。長編を一冊読んでからいろいろ判断したい。
2016/06/22
阿部義彦
阿部和重さん、初の短編集が文庫になりました。共通するテーマは不穏とユーモアかな?秘密結社やウォーゲームといった阿部さん好みのシチュエーションそして、暴力、拷問、罵倒の嵐でも全てにしっかりとオチがついて思わず納得の読み心地です。でも阿部さんときた本来は長編が向いてるのではないかな、とも思います。シンセミアを次には読もう。
2016/06/12
すぐ
著者が9.11から3.11に至る世界と対峙し、時代の空気を捉えた12の小説集。ライトノベル 涼宮ハルヒの二次創作「Bitch」や、僅か8文で構成された「For Your Eyes Only」等、挑戦的な作品も楽しめました。そして最後の「Ride on Time」。この一編に出会えたわたしは幸運でした。
2018/12/24
感想・レビューをもっと見る
「阿部和重」の関連作品
何げなくて恋しい記憶 随筆集 あなたの暮らしを教えてください1 (随筆集 あなたの暮らしを教えてください 1)
- 作家
- 三崎亜記
- 松家仁之
- 木内昇
- 蜂飼耳
- 駒沢敏器
- 山根基世
- 三浦しをん
- 山田太一
- 水内 喜久雄
- 多和田葉子
- 高 史明
- 佐々木美穂
- 野崎歓
- 関川夏央
- 戌井昭人
- 山根一眞
- 池澤夏樹
- 森絵都
- 萩尾望都
- 萩原朔美
- 長嶋有
- 高橋源一郎
- 長島有里枝
- 元村 有希子
- 姫野カオルコ
- 赤坂真理
- 片山健
- 大久保真紀
- 山口未花子
- 増田明美
- 阿部和重
- 寺尾 紗穂
- 川島小鳥
- あさのあつこ
- 片桐はいり
- 秋野暢子
- 前田英樹
- 川内倫子
- 内田春菊
- 平田 明子
- 呉美保
- 那波 かおり
- 辻村深月
- 森田真生
- 砂田麻美
- 大宮エリー
- 温又柔
- 坂本美雨
- ジェーン・スー
- 金井真紀
- 望月衣塑子
- 速水健朗
- 木内みどり
- 新井紀子
- 加藤千恵
- 本名陽子
- 内田樹
- カヒミ・カリィ
- 久保田智子
- サヘル ローズ
- 仲野徹
- 加瀬健太郎
- 山崎ナオコーラ
- イッセー尾形
- 安東量子
- 大竹しのぶ
- 曽我部恵一
- 津野海太郎
- 島田潤一郎
- 俵万智
- 出版社
- 暮しの手帖社
- 発売日
- 2023-03-20
- ISBN
- 9784766002294