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「イスラム国」はよみがえる (文春文庫 ナ 3-1)

「イスラム国」はよみがえる (文春文庫 ナ 3-1)

「イスラム国」はよみがえる (文春文庫 ナ 3-1)

作家
ロレッタ ナポリオーニ
村井 章子
出版社
文藝春秋
発売日
2018-01-04
ISBN
9784167910099
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「イスラム国」はよみがえる (文春文庫 ナ 3-1) / 感想・レビュー

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蘭奢待

イスラム国は行政機構、社会福祉、国家経済、教育、医療制度などが整っているという。中東諸国の独裁による腐敗。カリフ制国家の建設という理想。若者が世界中から集まってくる。しかし、惨虐な処刑と、テロリズムで世界を震撼させ、誘拐と身代金をビジネスとし、戦いの前線を進め次々と国土を広めて行く。掠奪した資産や武器で太ってゆく。元はムスリムシーア派とスンニ派の内紛。さらに、アメリカのイラク戦争の失政を糊塗するためにスンニ派に肩入れ、それがイスラム国として強大させた。昨日イスラム国壊滅との報道があったが疑わしい。

2019/03/24

A.T

2017年夏頃を境に、イスラム国のイラク・シリア地域での支配地域は激しい空爆と内戦によって奪還され、ほぼ壊滅かと思われていた。しかし、中東における内戦から、アフリカやヨーロッパ、東南アジア地域でのテロ攻撃に作戦が変化し、壊滅していないという。テロの費用は拘束した外国人の人質身代金で賄われている。人質を救うことが、次のテロ攻撃の経費に回される事実をどう考えるのか。2018年には1人のフリージャーナリストに対し200億ドルとも言われる身代金を渡したことによって、日本もテロに加担してしまっているということ。

2019/06/09

hjms

「イスラム国」という呼称は彼らの主張を認めるようで抵抗があったが、彼らの支配地域ではインフラの整備、イスラーム法による統治などなど、部分的には「国家」として機能していたのが意外だった。SNSを駆使したプロモーション活動など手口としては確かに革新的・最先端かもしれないが、カリフ制国家を樹立してグローバリズムに対抗しようという原理はやはり前時代的に感じる。どれだけ主張しようが排他的なムスリム至上主義にしか聞こえない。まずはあなた、スンニ派とシーア派がお互い認め合ったら?って思う。まあ無理だろうけど…

2018/04/09

in medio tutissimus ibis.

イスラム国はグローバリゼーションの鬼子である。多極体制下中東の代理戦争の泥沼から利益を掠め、テクノロジーとプロパガンダを駆使して西欧諸国にも賛同者を募り、カリフ制国家建国という基本戦略によって地歩を得た。一方で彼らはローカルな存在であることにも徹した。支配地に治安とインフラをもたらし、地下資源の利益を配分し、戦闘員に結婚相手の斡旋をする。テロリズム、イスラム原理主義、秘密主義のヴェールの下に見えるその素顔は現実主義的な国民国家に驚くほど近い。情勢は変化しても、これを生んだ欧米や中東の環境と思想に変化はない

2018/12/23

ポニョ

今更だが、イスラム国の実態について気になり読んでみた。現在話題となっているイスラム国がこれまでの武装過激化組織とは似ても似つかない事がかなり強調されていた。マスメディアを巧みに使い、グローバル規模で活動し、かなり近代的な組織を作り上げている。イスラム国が国家として認められる、そんな恐ろしい日が来るのであろうか。そうなる前に先進国が不安定な状態が続く中東に手を差し伸べるべきではないだろうかと考える。

2018/08/21

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