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夏の裁断 (文春文庫)

夏の裁断 (文春文庫)

夏の裁断 (文春文庫)

作家
島本理生
出版社
文藝春秋
発売日
2018-07-10
ISBN
9784167911003
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夏の裁断 (文春文庫) / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

数あるへヴィな島本さん作品の中でも個人的に読んだ中でも1、2を争う重たい作品かなと感じています。ページ数は少ないのに、読んだあとはかなりの大作を読んだかのように内臓にずっしりくる感じが残ります。作家である主人公「千紘」と編集者「柴田」のあぶなっかしく、なんとも言えない綱渡りな二人の関係がホントにキツい。そこに絡んでくる「猪俣」も輪をかけてキツい。こんなキツキツな人間模様にもかかわらず、読了できてしまうのはやっぱり島本さんならではなんだろうなと。タイトルで受ける印象より、さらに'裁断'された読後感ですね。

2020/09/12

しいたけ

島本理生の描く壊れた人が、ぞくぞくするほど私を惹きつける。せっかく本を読むのなら、不協和音の音の連なりに流され、藻のはびこる暗い湖に放りこまれる着地点を、歓んで受け入れようと思う。小説家千紘を翻弄する編集者柴田。柴田もサバイバーなのだろうと推し量って読んだ。のちに出会う清野さんとて、ある意味サバイバーだ。傷の膿みかたは人それぞれ。傷への触れかた、癒しかたも人それぞれ。人の複雑怪奇な感情を「宇宙」と表す清野さんの達観。こんな男に出会い癒されたいと、消えているはずの自分の傷を探す。

2018/07/30

ケンイチミズバ

重たい女なのには理由がある。作家が自炊することは自傷行為だと言いながらうわべだけでも恋人のイラストレーターとの共著も自炊してしまう痛さ。ちなみに自炊とは紙の本をばらしてスキャナーに読み込みデータ化すること。少女時代に意味がわからないまま体を奪われたトラウマから男女の関係をうまく生きられない。口ごもってしまう言葉をお酒の力で吐き出そうとするが当然そんなことで人間関係はうまくいかない。文体が素敵で文学を感じながら、私が男性であるがゆえにつかみきれな部分もあり、痛みだけ強く残る。タイトルからしてとにかくうまい。

2018/07/30

mariya926

読友さんのお勧めです。そして他の読友さんが文庫の方が書き下ろしもあるからとお勧めして頂きましたが、文庫本を読めて本当に良かったです。本の裁断は本当に読む本でないと、全部裁断しても結局誰も読まないのでもったいないです。鎌倉の描写はいいなー。住みたくなります。恋愛も柴田さんは私が全力で避ける相手なので、なんで絶対にダメ男だと分かるのにって共感ができませんでしたが、文庫本だと秋、冬、春バージョンがあるので、清野君との出会いがありそこから一気に面白くなりました。なぜ島本理生さんの本は危険な男ばかりなのでしょう?

2019/09/30

machi☺︎︎゛

すごく繊細ですごく不安定な主人公から目が離せなくて、大丈夫かなーって最後まで不安な気持ちだった。でも段々と強くなっていく様にとても静かに勇気づけられ最後は胸をなでおろす気分だった。鎌倉の古民家っていう設定もこの話に合っていて、夏から始まり秋、冬、そして春で終わるという四季感あふれた素敵な1冊だった。

2019/06/13

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