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カトク 過重労働撲滅特別対策班 (文春文庫 し 65-1)

カトク 過重労働撲滅特別対策班 (文春文庫 し 65-1)

カトク 過重労働撲滅特別対策班 (文春文庫 し 65-1)

作家
新庄耕
出版社
文藝春秋
発売日
2018-07-10
ISBN
9784167911041
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カトク 過重労働撲滅特別対策班 (文春文庫 し 65-1) / 感想・レビュー

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えちぜんや よーた

さすが小説にして売るだけあって、労働基準法や労働基準監督官のことをよく調べていると思う。彼らは「監督官」と言っても全国に3,000人程度しかいなくてベンガルトラ並みの希少職種である(ちなみに労働基準法の適用事業所は約300万程度)。彼らは司法警察員であり、同じ厚生労働省の麻薬取締官や警察庁の警察官と官職が同じ。労働基準監督官・麻薬取締官・警察官はすべて腰縄と手錠を携帯できる(ただし監督官の拳銃携帯は不可)。社会保障オタクの血が騒ぐ一冊だった。

2018/07/26

ma-bo

過重労働撲滅特別対策班、通称カトクに籍をおく最少年監察官の主人公が社員・管理職・代表者と対峙し、違法な過重労働と向かい合う物語。働き方改革を進めている今タイムリーな内容だった。企業側(管理職も含めて)の言い分もわかる部分もあり(だからといって許されるわけではないが)。正義だけでは測れない問題で難しく、カトクがバッサリ解決という様な内容にならないのは納得かな。

2020/02/26

Yunemo

カトクですか。労働基準監督官は知ってましたが、こんなポジションがあること初めて。働き方改革法が成立した今、過去の慣行、或いは自主的残業までもが36協定を超えれば完全な法律違反。賃金不払い、過重労働、同一労働同一賃金等労働問題に関する部分は表だって議論されてこなかった部分でしょう。難しいのはお上からの法規制が、現場で理解されそれに伴う変化が必要な点。それぞれ背負ってきたものが違う中で一色端にされてもいいのという素朴な疑問も。逆に意欲が阻害される点も否めず。でも時代の流れの評価を自身でどう評価すべきなのかな。

2018/08/12

かおり

電通のまつりさんを思い出してしまいました。「わたし、定時で帰ります」を読んだ時に偉そうな事を書いていたけど、それは···多少の嫌がらせがあるものの、ここ数年は自分の裁量で概ね自由に出来る課(係)だったからで、この本に出てくるブラック企業に社員としていたら負けたくなくて死ぬまでやってしまいそうな気がしてしまいました😖

2019/02/11

Kazuko Ohta

私の勝手な思い込みで決め付けですけれど、労基署へ駆け込む人は二通り、「過酷な状況で悩み抜いて相談しようと駆け込んだ人」と、「気に入らない待遇をチクってやると駆け込んだ人」がいるのではないかと。気にかけなければならないのは、駆け込むこともできずにたったひとりでいる人。労基署のことも、本作に登場するブラック企業の社員同様、お役所だと決め付けていました。でも、お役所仕事に徹する人もいれば、どっちがブラックだと思うほど働いて、声を上げられずにもがいている人を救おうとしている人もいる。死ぬほどがんばってはいけない。

2018/07/18

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