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フランダースの帽子 (文春文庫)

フランダースの帽子 (文春文庫)

フランダースの帽子 (文春文庫)

作家
長野まゆみ
出版社
文藝春秋
発売日
2019-02-08
ISBN
9784167912246
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あらすじ

あのころ知りあいのだれもがなにかしらのウソをついて暮らしていた――

長く潜伏したあとでひょっこり姿をあらわした、良く似た姉妹による巧妙なウソ。
郵便受けに届いた1枚の葉書が呼び起こした、弟との30年前の秘密。
「語りとは騙りのことである」とうそぶく読書会の主宰者。
賢治の童話やフランドル派の絵画に秘められた寓意。
そして、記憶を失った青年たちと、自らの物語に生きる老婦人たち――。

消えゆく記憶の彼方、不在の人物の輪郭から、おぼろげに浮かび上がる6つの物語。

解説・東直子

フランダースの帽子 (文春文庫) / 感想・レビュー

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エドワード

ある日届いた今は亡き弟あての手紙が30年前の小学生の頃を呼び覚ます。年子の弟、塾で知り合った友達、壁に貼ったポンペイの写真。美術を学ぶ高校生の私が描いた「フランダースの帽子」、交流展で売れ、行先不明だった絵との数奇な再会。「かみのふね」読書会。雲の事務所という名の老人ホーム。誰もがつく何気ないウソ。ほんのちょっと自分を印象づけたくて脚色する、たわいもないウソ。最後にえっ?となる、懐かしく、ほろ苦い読書の快楽。外国の人名地名の妄想の遊び。うん、確かにそうだったな。カイロは神の思し召し、シャンゼリゼは極楽だ。

2019/02/21

穂積

長野まゆみだからこそ成立する話だなあと思った。初期の幻想を軸にした物語から徐々に現実世界へ向かいながらも、物語にはなお幻想の空気が漂う。この人の持っている幻想の力はとても強くて、どんどんそちらへ引っ張られてしまう。いつもはそれで良い。そういう物語だから。けれどこの作品は、そうなんだろうな、とぼんやり納得させられかけた瞬間に、ぱちんとしゃぼん玉が弾けるように現実を見せてくる。驚いている間に幕は降り、やられた、と立ち尽くす。そうして笑ってしまう。わたしは、この人の見せるウソが大好きなのだ。

2019/02/12

kashiha

表紙に惹かれて。この絵を知っているのに、なぜ知っているのかは思い出せないのだが、本書1話目「ポンペイのとなり」の語り手が言う、記憶が鳩になって飛んでいくのと同じ現象で、つまり老化である。少しへこむ。表紙の絵は、本の題名にもなっている2話目の内容に関係する。全6話ともなにがしかのうそが練りこまれており、この安心して読めない感じが長野氏の作品だなあ、と思う。好きな話は、「ポンペイのとなり」、「フランダースの帽子」、「シャンゼリゼで」。「シャンゼリゼで」の語り手は消去法であの人と思っているがわからなくて悩む。

2019/03/03

hana.

奇妙な話。どこまで信じていいのか。どこへ連れて行こうとしているのか。すべての話にウソが紛れ込んでいる。それらはどう考えてもウソに聞こえるのに、それを語る当人があまりに自然で、そんな事もあるのかもしれないと思ってしまう。心地よく騙される感覚。後半2篇は少々アクが強いけれど、普段、長野まゆみを読まない人にもオススメしやすい1冊。

2019/03/03

sui

27。最近の長野作品は、こういう一筋縄では行かないというか、ややこしいというか…そんなお話が多いですね。初期からのファンなので本が出ればどんな話でも買いますけど、毎回掴み所のない物語が続くとちょっと休憩したくなるのも本心です(^^; 短編集、たぶん表題作がいちばんライトで読みやすいし結末的にも明るい、かな?どのお話も靄のかかったような曖昧な感じで進んでいき、ラストで突然、え??となる展開。え?どゆこと?と思っているうちに、ハイ、次の話!となるので今一頭の回転の遅い私には上手く消化出来なかった感じです↓

2019/02/15

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