東京會舘とわたし 上 旧館 (文春文庫 つ 18-5)
「東京會舘とわたし 上 旧館 (文春文庫 つ 18-5)」のおすすめレビュー
2度の震災と戦争を生き抜いた「東京會舘」を舞台に、辻村深月が描く壮大な青春大河ミステリー!
『東京會舘とわたし』(辻村深月/文春文庫)
東京會舘を舞台に実話を下敷きにした連作短編集、と聞いて、東京會舘にはなじみがないし、辻村深月作品にしてはあらすじが大人しそうだし、と『東京會舘とわたし』(単行本は毎日新聞出版、文庫は文藝春秋)を読む機会を逸している人が、もしかしたらいるかもしれない(そうではありませんように、と思って書いているので、そんなわけあるか! 無礼なことを言うな! とご立腹の方はご容赦ください)。
だが多くの読者はきっと、どんなに静かな物語でも辻村さんの手にかかればとてつもないエンターテインメントに変わるはず、と期待することだろう。その期待は決して裏切られることはない。
冒頭に登場するのは、東京會舘を舞台に小説を書きたい、と取材を申し込む作家だ。数ページのプロローグののち、おそらくはその作家が聞いたのであろう、東京會舘を舞台にした物語がはじまる。最初は大正12年、創業の翌年の東京會舘を、小説家志望の青年を主人公に。次は昭和15年、大政翼賛会の庁舎として徴収されることになった東京會舘を、創業からつとめあげた男を主人公に。読みなが…
2019/10/18
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ベストレビュアーを決めるのはあなた! 珠玉のレビューが目白押しの読書メーター×ダ・ヴィンチ「第4回 レビュアー大賞」第2次審査投票が開始
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同企画は、課題図書8作品のレビューを募集し、予選・本選を経て各作品ごとにベストレビュアーを1名ずつ決定。さらにその中から“ベスト・オブ・ベストレビュアー”を選出するというもの。
課題図書のラインナップは公開中の映画が話題の平野啓一郎『マチネの終わりに』や、直木賞作家・島本理生の『Red』を含む注目の8作品。現在、優秀レビュアーに選出された各作品3名ずつのレビューは、特設ページで見ることができます。
課題図書を読んだ人も、まだ読んでいないという人も、優秀レビュアーの素晴らしいレビューを読み「これは!」と思うレビューに投票してみましょう。投票期間は2019年11月24日(日)まで! ⇒「第4回 レビュアー大賞」特設ページ
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2019/11/11
全文を読む「読書メーター」×『ダ・ヴィンチ』第4回 レビュアー大賞が開催! 『マチネの終わりに』『Red』など、話題の8作品が課題図書に!
日本最大級の書評サイト「読書メーター」と『ダ・ヴィンチ』は、9月16日(月)より、ベストレビュアーを決定するコンテスト「第4回 レビュアー大賞」を実施します。
●優秀レビュアーには図書カードを贈呈!
昨年開催した「第3回 レビュアー大賞」では、『コンビニ人間』を含む文庫8作品を課題図書とし、約2,000件の応募が集まりました。また、「読書メーター」と書店がタイアップして「レビュアー大賞課題図書フェア」を開催しました。
今年で4回目の開催となる「読書メーター×ダ・ヴィンチ レビュアー大賞」の課題図書は、11月1日の映画公開が待たれる平野啓一郎の『マチネの終わりに』や直木賞作家・島本理生の『Red』を含む話題の8作品。課題図書告知期間中には、読書メーターサイト上で課題図書8作品セットが 抽選で10名に当たるプレゼント企画も実施します。
レビュアー大賞本選では、課題図書8作品の各作品につき、2名(計16名)に「優秀レビュアー賞」として5,000円分、1名(計8名)に「ベストレビュアー賞」として10,000円分の図書カードを贈呈。8作品すべてを読まれた…
2019/9/16
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東京會舘とわたし 上 旧館 (文春文庫 つ 18-5) / 感想・レビュー
さてさて
この国の歴史に刻まれた人々の生き様を目にしてきた建物にまつわる物語。激動の歴史を生きてきた場所、『東京會舘』の物語です。五つの短編は、そのそれぞれの時代を必死に生きた主人公たちの物語が描かれます。『東京會舘』の『歴史を下敷きとしたフィクション』として見事に描かれたこの作品。どこか近寄りがたいと感じていたその荘厳な建物の背景に、建物を支え続けてきたたくさんの人たちの熱い想い。そして、”人が華やぐ「味」と「おもてなし」をこれまでも これからも”という言葉の裏に流れる人のぬくもりを強く感じた、そんな作品でした。
2021/03/22
のり
東京會舘にとって決して順風満帆とは言えない船出だった。関東大震災・第二次世界大戦を経て改修や接収。苦しく厳しい時でも會舘の人達は違った。職場に対して敬意をはらい、来舘した全ての人に対し真摯に対応する姿には尊敬の念を覚える。東京會舘が人を育て、人が東京會舘を支える。愛されるのは当然と思える。下巻へ。
2020/08/20
エドワード
私が子供だった昭和40年代の暮らしは、畳に卓袱台、味噌と醤油、饅頭と煎餅という和風一辺倒だった。日本人の生活に西洋のものが溶け込んでいく源がここに鮮やかに描かれている。今も丸の内にある東京會舘。冒頭の祝辞「東京會舘の目的は我が庶民の社交化、社交の民衆化にある」が全てを語る。クラシック音楽の演奏会、フレンチレストラン、バーで供されるカクテル。荘厳な建物に庶民は非日常の驚きを堪能したことだろう。「ご家庭にフランス料理の美味しさをお裾分けできるお菓子を作りたいのです」との涙ぐましい努力が印象的だ。下巻に続く。
2019/09/14
佐々陽太朗(K.Tsubota)
まるでタイムスリップして東京會舘に足を踏み入れたかのような錯覚に陥る。「灯火管制の下で」が良い。「しあわせな味の記憶」も。「ガトー」「ガトーアナナ」「プティフール」「パピヨン」どの菓子も食べてみたい。とりあえず東京會舘のオンラインショップで「プティフール」を買ってしまった。(^^ゞ
2019/10/04
mura_海竜
創業の大正期から昭和30年代。物語の舞台は東京丸の内、東京會舘。人々の喜怒哀楽ドラマ。連作短編。世の中がめぐるましく変わる時代、関東大地震、戦争期、戦後GHQ接収、解除その後、東京オリンピック。戦乱前後の東京の人々の様子もわかる。それぞれの物語は、帝劇の演奏家、結婚式、バーテンダー、理容師、菓子職人、それぞれの人生と會舘への想い、建物に声掛ける、愛を感じる。ミルクのグッドモーニング・フィズは飲んでみたい。震災復興費用の半分は清水組。日本愛。下巻へ。
2021/11/16
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