読みたい本がここにある

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

くちなし (文春文庫)

くちなし (文春文庫)

くちなし (文春文庫)

作家
彩瀬まる
出版社
文藝春秋
発売日
2020-04-08
ISBN
9784167914714
amazonで購入する Kindle版を購入する

「くちなし (文春文庫)」のおすすめレビュー

不倫解消の代償が「彼の左腕」だったら…? 直木賞候補作がついに文庫化!

本日発売の「文庫本」の内容をいち早く紹介! サイズが小さいので移動などの持ち運びにも便利で、値段も手ごろに入手できるのが文庫本の魅力。読み逃していた“人気作品”を楽しむことができる、貴重なチャンスをお見逃しなく。 《以下のレビューは単行本刊行時(2017年10月)の紹介です》

『くちなし』(彩瀬まる/文藝春秋)

 本書『くちなし』(彩瀬まる/文藝春秋)には7編の短編小説が収録されている。表題作「くちなし」のほか「花虫」「愛のスカート」「けだものたち」「薄布」「山の同窓会」の計6編は、『別冊文藝春秋』(2015年7月号~2017年7月号に収録)が初出で、1編「茄子とゴーヤ」が新たに書き下ろしされた。第158回直木賞候補にもなった本作は、惜しくも受賞は逃したが、不思議で幻想的な設定とその繊細な描写は、読む人に深い印象を残したのではないか。

 彩瀬まるさんは1986年千葉県生まれ。2010年、『花に眩む』で「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞して、24歳でデビュー。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『桜の下で待っている』『朝が来るま…

2020/4/8

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

くちなし (文春文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

mayu

昼と夜のように私たちはすれ違う。例えばあなたへの愛ゆえに鳥や蛇に姿を変えたとしたら、あなたは受け入れてくれるのかしら。私は二人幻想の中へ堕ちてゆくことを望むでしょう。想い合う者にしか見えないという美しい花。例えば虫が見せた幻だとしたら、それでもあなたは私と一緒にいてくれるのかしら。私は耽美な夢にいつまでも溺れることを選ぶでしょう。独特の世界観で描かれた短編集。愛することのままならなさすらも美しく思えた。

2020/09/01

sin

自分たちは何かで在りたいと熱望する者達の幻想を介したリアルな絵空事だ※愛は独りよがりでときに肉欲より不純に染まる。※花虫の司るものはホルモンに支配された愛と同じく…※一途で純粋な愛は身勝手で、愛を意図する者は八方美人だ。※男も女もその本性はけだもの、喰らい尽くす究極に憧れる。※身近で遠い家族の愛情、伝えなければ伝わらないのに…※解っている…と云う傲慢では人を理解し得ない。※人は同じで皆違っている。誰とも違ってしまった彼女の生きざまに否はない、その記録は優しく友を語り続ける。

2020/04/15

mincharos

村田沙耶香的な設定モノなんだけど、文章が美しくて幻想的で、とても上質なものを読んだ感覚。「くちなし」は、10年つきあった不倫相手から急に別れを告げられ、じゃあその代わりに腕を頂戴→利き腕じゃなくていい?→いいよ、もちろん。な会話から始まる。腕を外す描写がなんとも秀逸。7編収録なんだけど、私は現実世界よりの「愛のスカート」「茄子とゴーヤ」が好き。茄子色のヘアを見てみたいし、ゴーヤ料理を色々作りたくなった。色々な愛が描かれており、どれも理解しがたいような理解してしまえるような。愛ってそういうものなんだろうね。

2020/07/27

エドワード

別れの際に左腕を与えて去る男。くるぶしに美しい花を咲かす男。およそこの世に存在しない奇妙な男女を描きながら、感情だけはリアルで身近。「あの人の身体は、指先まで私のものよ。」「好きだから、私の持っているものは全部あげたの。」川上弘美さんを彷彿とさせる、蛇の出て来る「けだものたち」、産卵する女たち「山の同窓会」。現の世を描く「愛のスカート」「茄子とゴーヤ」の人々の心のふれあいは、異界から戻った私にひとときの癒しを与えてくれる。表紙の絵が秀逸、解説の千早茜さんも的確な人選だ。世代交代は確実に進んでいるね。

2020/04/22

よしぱん

★3 幻想的なダークファンタジー要素ありの、迷える愛情を描いた短編集7編。女「別れるなら左腕ほしい」男「いいよ」→運命の人同士に見える、お互いの体に咲く花虫→天才肌デザイナーが片想いで作るスカート→獣に変化して愛する男を食べる女たち→デリバリー少年を楽しむ女教師→いい妻ごっこに疲れた女、髪を茄子色に染める→命懸けで卵を産む人々。1編30ページ前後だけど、読み終わると少し突き放されたような、異世界に入り込んだような、そんな気分。

2020/09/29

感想・レビューをもっと見る