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メガネと放蕩娘 (文春文庫 や 62-2)

メガネと放蕩娘 (文春文庫 や 62-2)

メガネと放蕩娘 (文春文庫 や 62-2)

作家
山内マリコ
出版社
文藝春秋
発売日
2020-06-09
ISBN
9784167915087
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「メガネと放蕩娘 (文春文庫 や 62-2)」のおすすめレビュー

「まちづくり」がエンタメに! アラサー姉妹によるシャッター商店街の再生奮闘記が文庫に

本日発売の「文庫本」の内容をいち早く紹介! サイズが小さいので移動などの持ち運びにも便利で、値段も手ごろに入手できるのが文庫本の魅力。読み逃していた“人気作品”を楽しむことができる、貴重なチャンスをお見逃しなく。 《以下のレビューは単行本刊行時(2017年11月)の紹介です》

『メガネと放蕩娘』(山内マリコ/文藝春秋)

 東京に住んで驚いたことの一つは、「元気な商店街が多いこと」だ。

 地方で暮らしていた頃は、商店街で買い物することは少なかった。近くに商店街が存在することは認識していたものの、シャッターを下ろす店が年々増加する一方なので、足は遠のいていった。

 内心残念な気持ちはあったものの、郊外にドーンと建設された大型ショッピングモールに車で買い物に行く日常にもすっかり慣れ、商店街が地域にこれまでどのような役割を果たしてきたかなど、考えることもしなかったのだ。

 山内マリコの『メガネと放蕩娘』(文藝春秋)は、そんなシャッター通りと化した商店街を寂しく思い、奮闘するアラサー姉妹の物語である。

 著者が地元、富山の商店街を徹底取材して執筆した本書は、商店街の…

2020/6/9

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メガネと放蕩娘 (文春文庫 や 62-2) / 感想・レビュー

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ろここ

シャッター商店街を再生させるため奮闘する姉妹のお話。 00年代が青春だったから、主人公にも共感できたし、読みやすく楽しめた。経済構造が変わったというだけじゃなくて、変化に対応できなかった背景とか、行政と商店街の考えとかよくわかった。ハートフルな商店街の内輪感とかもちゃんと描かれてるし。 街や店を利用して育てるっていう概念、なかなか今は通用しないし難しいよね。

2021/07/21

桜もち 太郎

地方再生のために奮闘するアラサー姉妹の物語。市役所勤めのタカコと、10年前に家出してある日突然妊婦となって表れた妹ショーコの二人が、寂れてしまった商店街を盛り上げようと戦う。ショーコが役所の星野さんに対して「薄汚い小役人」と言い切るくだりには笑ってしまった。作者自身が富山の中心にある繁華街で青春を過ごし、その街が寂れていく現実を目の当たりにしても、何もすることができなかった、その贖罪のつもりで小説を書いているとあとがきにあった。作者のそんな思いに乗っかって楽しく読めた社会派エンタメ小説だった。

2021/07/10

さくら★もち

寂れた商店街の再生を目指し奮闘する人々の物語。シャッター商店街の抱える問題や事情を知ることができます。著者が同年代であることと、青春時代に地方都市の商店街のメインストリートを友人達と練り歩いていた経験から、郷愁の念が浮かんでビシビシ刺さりました。ネットや大型モールでの買い物は便利だけど、自分の足で個性的な店を見つけ出すワクワク感を味わいたい。沢山の地方都市が、タカちゃんとショーコのいる街のようになるといいのにな。

2020/08/22

nyanlay

地方再生とか難しいよね。商店街は地方じゃなくてもシヤッター増えてるし。アタシの住む町の商店街もお店はあるけど、後継者いなくてチェーン店ばかり。タカちゃん&ショーコ姉妹プラス街子いいね。片桐君のレポートは現実的ですね。ツライ。

2021/01/21

shushu

帯に後書きの抜粋がある。「年齢や立場が変わったこと、そして地元を「退屈だ」とののしったつぐないとして、もっと実際的な物語を書かねばと思うようになりました。」。その通りの小説でした。

2021/08/04

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