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送り火 (文春文庫 た 104-1)

送り火 (文春文庫 た 104-1)

送り火 (文春文庫 た 104-1)

作家
高橋弘希
出版社
文藝春秋
発売日
2020-08-05
ISBN
9784167915421
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送り火 (文春文庫 た 104-1) / 感想・レビュー

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ろくせい@やまもとかねよし

3短編収録。すべての物語は主題を捉えきれない印象だった。振り返りあえて頭を捻り、通底にある主題は不条理だったかもと思惟す。「送り火」が描くは、中学生のなかで伝え続けられる虐め。発する利他的な想いを全否定する抗えない社会慣習の不条理を表現するか。「あなたのなかー」は、突然複数近親者の死に接した21歳の女性を描く。人命をなんなく奪う自然の変わらない情景の不条理を表現するか。「湯治」は身体の不調で湯治に訪れる中年男性を描く。若さで蓄えられる力に対し老いで失う力の不条理を表現するか。仕様もないことの表現だったか。

2021/12/16

ω

2018年芥川賞ω 閉鎖的な村×他所者の子供=◯◯ みたいなお話。理不尽な感じ〜!芥川賞っぽいっちゃあぽい|・ω・) 指の骨の方が好きかな〜。

2021/03/02

いっち

無意識な差別意識を持つ主人公。主人公は、東京から青森に転校した中学3年生の男子。主人公は転校を繰り返しているので、人間関係の把握に長けている。よって、すぐなじむ。だが、田舎に染まらない。いじめられないような距離感で、深く関わらない。主人公は、青森の田舎や同級生を、下に見ているわけではない。ただ、「自分は違う、自分のいる場所ではない」とは思っている。なぜそうなったか。転校を繰り返しているから。なじんでも、「すぐに離ればなれになってしまう、忘れられてしまう」と知っているから。大人の都合(転勤)が関係している。

2020/09/10

Tαkαo Sαito

東京で育った人付き合いの上手な中学生の少年が、父の転勤に伴い青森の田舎の中学校に転校になるも、そこでは少年特有の暴力が蔓延っていた。圧倒的に緻密な自然の描写が凄かった。緻密で美しい自然がある一方、終始不穏な空気が立ちこめる物語。終盤〜ラストが物凄く衝撃的なのにどこか他人事のような描写が凄みを増している。他に2編の短編が収録されてるが、「湯治」が好き。

2020/09/03

朗読者

強烈。いやあ、ビックリしました。そうですか高橋さん、そう来ましたか。感じの悪い登場人物たちが感じの悪い事を続けているいびつな日常がずっと描かれていきます。かなり読むのが苦痛でしたが、新しい凶悪な登場人物が出てきたところから緊張状態になり、一気にクライマックスに突入していきます。この辺りの展開、迫力、恐怖は凄いです。だから送り火ね。なるほど。これは寝付きが悪くなりますね。本当に夢に出そう。意図せず8月らしい作品を読んでしまいました。

2022/08/13

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