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おもちゃ絵芳藤 (文春文庫 や 72-1)

おもちゃ絵芳藤 (文春文庫 や 72-1)

おもちゃ絵芳藤 (文春文庫 や 72-1)

作家
谷津矢車
出版社
文藝春秋
発売日
2020-10-07
ISBN
9784167915773
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おもちゃ絵芳藤 (文春文庫 や 72-1) / 感想・レビュー

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冬見

芳藤の絵に出会ったのは数年前、展覧会の片隅だった。おもちゃ絵はその性質上、消耗品である浮世絵のなかでも特に残りにくいという。展示されていたおもちゃ絵も、今はもう組み方がわらないと解説が添えられていた。終わりゆく斜陽の世界を浮世絵師たちはどう生きていったのだろう。本書に手を伸ばしたきっかけはそんな興味からだった。芳藤の人生は決して順風満帆と言えないものだったのかもしれない。けど、それがなんだというのだろう。彼は絵師だ。絵師として生き、絵師として死んでいったのだ。それ以上の苦しみと幸福があるものか。

2020/11/23

sin

kindle版。国芳没後の弟子たちの話。 河治和香の「ニッポンチ!」を読んだばかりで続いてこの本。国芳が好きでその流れから、弟子たちの絵も見てきたけれど 明治にはいってからの浮世絵は苦手。その時代に翻弄された絵師たち。芳藤の玩具絵、面白くて欲しかったけれど高くて・・。

2021/06/15

まめの助

★★★☆☆歌川国芳の弟子、芳藤のお話。新人浮世絵師が手始めにやる仕事の玩具絵を生涯描き続けた芳藤。絵は見たことがあったが、名前は知らなかったので興味深く読了。幕末から明治への時代の変化、売れっ子の弟弟子たちへの複雑な思いや絵師としての思いなどがたくさん詰まっていて、せつない。頑張りが報われてよかった。

2023/02/09

h_hukuro

時代の変化に流されることも抗うこともできず、周りの才能に圧倒されながらも筆を離さなかった、というよりも離せなかった芳藤。彼の地味ながらも歩み続けた先に胸が熱くなりました。

2021/07/05

かわず

人生を大きく変えるかもしれない岐路に立った時、その律儀さ臆病さから芳藤は飛躍の機会や縁をやり過ごす。要領が悪くて不器用だけど、自分でそれを選んでいる節もある。同時代に筆をふるった綺羅星のような絵師たちを横目に見、葛藤を抱きつつも使い捨てられ省みられないおもちゃ絵を描き続けた芳藤。波風立たない人生でも空っぽではないと思うけどな。現に彼の名と絵は今も残っている。描き続けられるのも才能。絵師歌川芳藤の生き様に敬意を表する。

2021/07/19

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