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赤い砂 (文春文庫)

赤い砂 (文春文庫)

赤い砂 (文春文庫)

作家
伊岡瞬
出版社
文藝春秋
発売日
2020-11-10
ISBN
9784167915889
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赤い砂 (文春文庫) / 感想・レビュー

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パトラッシュ

パンデミック自体よりも、原因となるウイルスがもたらす莫大な利益を巡る人の欲望と怒りと絶望と苦悩がテーマ。儲けるためなら危険なウイルスを平気で売買する製薬会社と、得体の知れぬ謎に気付き職を賭して追跡する刑事。真実を知りながら何も言えない関係者に、無関係な他者が犠牲になるのを楽しみさえする少年。これに事件の政治的利用をたくらむ警察の内部抗争が絡み、人の愚かさが止められたはずの感染を広げていく。それを何とか食い止めたのは、命を捨てて真相を暴いた刑事の覚悟あればこそ。ネット時代以後なら別のドラマが展開していたか。

2021/08/02

イアン

★★★★★★★☆☆☆未知のウイルスを扱った伊岡瞬の長編。自殺した男の遺体処理に携わった警察官やJRの運転士らが、相次いで錯乱した末に自殺する。同期の親友を亡くした刑事・永瀬は、不審な死の連鎖の裏に大手製薬会社の影を見出すが…。ややオカルト臭は漂うものの、自身の進退も顧みず突き進む永瀬の無鉄砲さがいい。フーダニットの要素もあるけど推理がやや飛躍しているので、純粋にエンターテインメント小説として読んだ方が楽しめるかもしれない。そして一番の驚きは、この作品が最初に執筆されたのが今から約18年前だったという事実。

2020/12/21

のり

一人の自死に関係した者が次々と異常な行動をとり命を絶つ。その中には警察官も含まれるが、上層部は隠蔽に向かう。同期・友人として不可解な事案に懸念を抱いた「永瀬」は真相を追うが圧力がかかる。未知のウィルスと大手製薬会社の怪しげな動向。管理も杜撰だが、金に走った者達の浅はかさには心底失望する。さらに私怨でばら撒く愚か者まで…これ以上感染拡大しない事を願う。

2021/05/13

あっちゃん

大好物のウイルスもの(笑)とは言うものの刑事が主人公なので、それほど専門的な感じでも無く真相を追う刑事もの、といった感じ!若いせいか無茶が多く見所は沢山あるので、そこそこ飽きない!ラストは…気になるなぁ( ̄▽ ̄)

2022/06/15

モルク

国立疾病管理センターに勤務する男が電車に飛び込む。そして現場検証をした鑑識係が同僚の拳銃を奪い自殺、奪われた警官も自殺し、さらには電車の運転士も自殺する。この自殺の連鎖は何か?疑問を持つ刑事永瀬。3年後再び…。「赤い砂」と呼ばれる死のウイルス、そして製薬会社。20年近く前に書かれた作品ということだが、今の新型コロナの未だ収まらない状況下で読むと、その時の洞察力の鋭さに驚く。読む手が止まらず引き込まれていく。この先どうなるの?永瀬は…?

2021/12/28

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