文字に美はありや。 (文春文庫)
文字に美はありや。 (文春文庫) / 感想・レビュー
コトノハ小舟
伊集院静さんの溢れ出る教養。紀元前から近代まで書を片手に歴史と文化を案内してもらった気分。いやあ勉強になりました。書なるものは、こんなにも読み解けるものなのですね。普段筆で字を書く文化を失って、我々はとんでもない損失をしたのではないだろうか。。鑑真の話にいたく感銘し、天平の甍も読みました。時代のうねりとキラ星のような人間の営みに感動。でも最後までわならなかったのは、伊集院さん言うところの「情緒」。 また再読したい。
2022/09/08
禅
「王羲之からはじまり、歴史の中の書、文字を見てきたが、名蹟と呼ばれるものを見れば見るほど、私の中に奇妙なわだかまりがひろがった。大半の書が高尚に映った。事実、高尚だからしかたない。故に解釈がいる。つまり万人のものではない。 芸人の書、字が解釈不要なのは、彼等に大衆の悲哀、という上質の温度を確かに感じるからだ。書、文字は人となりでなく、そのぬくもりかもしれない」 特に心に残ったのが「新選組借用書」における近藤勇の署名だ。指でなぞると「近」のしんにょうの自由さというか、とらわれなさが伝わる気がした。
2020/12/07
taka
王羲之を始めとする様々な文字。「これは文字か」と思うようなものがあって楷書以外、良し悪しがよくわからなかった。自分で書いたり鑑賞し続けると良さがわかるのだろうか。
2020/12/16
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