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彼女は頭が悪いから (文春文庫 ひ 14-4)

彼女は頭が悪いから (文春文庫 ひ 14-4)

彼女は頭が悪いから (文春文庫 ひ 14-4)

作家
姫野カオルコ
出版社
文藝春秋
発売日
2021-04-06
ISBN
9784167916701
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浜辺美波が選んだ1冊は?「衝撃的な事件の背景にある真実から目を背けないために手にした一冊です」

 ※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年2月号からの転載になります。

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、浜辺美波さん。 (取材・文=倉田モトキ 写真=干川 修)

「センセーショナルな事件が起きると、ニュースの表層的な部分だけですべてを分かったように思い込み、その背景にある真実まで深く調べない人も少なくありません。それは私も同じで。だからこそ、自戒の意味を込め、読んでみようと思いました」  2016年に起きた女子大生への強制わいせつ事件を題材にした小説『彼女は頭が悪いから』。ずっと気になって購入していたものの、読み終えたのは一昨年の暮れだったそう。 「重い内容ですので、すぐには手にできなくて。でも“絶対に読もう”と決めていました。創作ではありますが、あの衝撃的な事件をどのように描いているのかが気になったんです。また、被害者女性がSNSで誹謗中傷を受けるという痛ましい背景も克明に描かれていて、考えさせられることが多くありました」  普段はファン…

2024/1/15

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彼女は頭が悪いから (文春文庫 ひ 14-4) / 感想・レビュー

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さてさて

『つばさは東大に合格した人間である。日本一入るのが難しい大学だ』。複雑な思いの先に事件に巻き込まれていく主人公の美咲を描いたこの作品。そこには実名で登場させるからこそ読者の心にリアルに響いてくる学歴社会の一面を見る物語が描かれていました。前半の雰囲気感が後半の物語に独特な深みを与えていくこの作品。数多く登場するツィッターのコメントにさまざまな思いが去来するこの作品。“東大生への偏見だ!vs 東大だから起きた事件だ”と煽るように書かれた本の帯の言葉を見事に著した姫野さんの鋭い切り口が光る物語だと思いました。

2023/11/12

ゆいまある

私は日本中から金持ちの馬鹿息子が集まることで有名だった私立大医学部を卒業している。親睦を深める為に開催された飲み会で酔ってエッチなことを言ったら、その場にいた大馬鹿のスイッチが入ってしまい、身体を触られ、集団で服を脱がされそうになったことがある。挑発した私が悪い、何をされても文句は言えなかったと皆が言い、私もそのように27年間自分を責めて記憶を封印してきた。その記憶が浄化された。ありがとう姫野カオルコ。東大生わいせつ事件に着想を得た小説。社会的地位が低い者は侮辱して構わないという考えを強く批判している。

2022/10/26

レモングラス

東京大学の男子学生5人が起こした事件をもとに書かれている。相手の気持ちを考えないどころか、人として到底ありえないし、ここまでひどいとは思わなかった。見下すという恐ろしい感情、育ってきた環境、驚愕の内容でした。東大ではない人間を馬鹿にしたい欲の怖さ、東大ではなくても、これを小さく小さくした感情が社会のあちらこちらでと思うと、社会が思った以上に病んできているのだと感じました。読友さんのレビューで知り、読みました。抑制の効いた筆致に突きつけられたもの、世の中がどんどん壊れていかないことを願うばかりです。

2023/11/13

あきら

一気に読み終えて、感じる不快感。 純粋な怒りなのか、悲しみなのか。 それにコンプレックスが混ざってるのか、それを抱く自分が嫌になる気持ちなのか。 今の世の中、「論破」とか「頭悪い」とか「非効率」とかそんな言葉が力を持っているから、なんというか、すごく危険だな、と思いました。 すごくタフなテーマでしたが、素晴らしい完成度でした。 ただ、不快にはなります。

2021/10/31

しげ

本書の読書中に甲子園春季大会が開幕、高校生の美しい国歌独唱に時の流れを感じます。私の育った社会の風潮として国旗国歌はタブー(学校も社会も許さない)少し寂しい時代でした。東大生を扱った本書、安保や安田講堂を思い出し、その世代では有りませんが時代を映す鏡と感じる部分も有り、時代は変わっても社会の根底に有る不条理は何も変わらないと感じる一冊でした。

2023/03/18

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