KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

牧水の恋 (文春文庫 た 31-10)

牧水の恋 (文春文庫 た 31-10)

牧水の恋 (文春文庫 た 31-10)

作家
俵万智
出版社
文藝春秋
発売日
2021-08-03
ISBN
9784167917418
amazonで購入する Kindle版を購入する

牧水の恋 (文春文庫 た 31-10) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

禿童子

「白鳥は哀しからずや海の青空のあをにも染まずただよう」をはじめとして愛唱歌の多い若山牧水だが、実生活では大変な恋愛に翻弄されていたことを知った。明治40年早稲田大学の3年生に始まった園田小枝子との恋がその後の牧水の人生を決定づける、牧水の名歌の尽きせぬ源泉になった。俵万智は小枝子の側の見方から若い牧水の赤裸々な姿を描いている。恋に破れたのちに妻・喜志子と結ばれて家庭の幸せを得ても寂しさから逃れられなかった。一読後、「幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ 今日も旅ゆく」も違った余韻を感じる。

2021/10/05

ピロ麻呂

歌人若山牧水の恋愛遍歴を、数々の短歌とともに解説。歌の訳も分かりやすく、牧水に影響された自身の歌も紹介されてます。それにしても牧水を虜にした小枝子ってスゴい😆人妻でありながら、二股をかけ、牧水に貢がせる魔性の女。でも、そんな苦しい恋愛が短歌の糧になったと思う。「はじめより苦しきことに尽きたりし 恋もいつか終わらむとする」恋の終わりっていつなんだろ?

2021/08/28

ホシ

初恋を主題とした俵万智による若山牧水の評伝。脳内を何度も「三四郎」「ストレイ・シープ」がリフレインします。寝込みを襲われまいと寝たふり(!?)をする小枝子。日向の田舎から出てきた純朴な牧水は小枝子の「生殺し作戦」に手も足も出ません。渾々と湧き上がる欲求…そりゃぁ、歌づくりに昇華せざるをえんわ(笑)。「あなたはよっぽど度胸のないかたですね」…小枝子の声が聞こえてきそう。だからこそ、小枝子と結ばれた夜の牧水の喜びと来たら!そして、小枝子の秘密を知った牧水の驚きと来たら!他人の恋バナの何と妙味なることか(笑)

2022/01/25

やま

角川武蔵野ミュージアムに初博物館に行った。お目当ては俵万智のたったひとつの「いいね」展。11月に行ったときは予約をせずに3時間待ちと言われたので事前に予約して念願の俵万智の短歌の世界に浸ることができた◇ショップで買ったのがこれ(このパターンが多い)。若山牧水は郷土の歌人なのにあまり和歌を知らなかったけど、この本では牧水と小枝子の恋を横糸に、牧水の和歌を縦糸に編み出していて和歌の解説があるのがうれしい。牧水は自在に和歌を読んでいたように見えるけれど、推敲している様子も見える。和歌もいいな。

2022/01/04

そうび

「流浪と酒の歌人」若山牧水の、初めての恋愛にしては複雑すぎる恋の顛末とそれに連なる短歌。圧倒的に喜志子さんの方が良い妻ですよ。思った以上に内容は評論じゃなくて俵さんの意志が強かった。

2022/03/07

感想・レビューをもっと見る