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剣樹抄 (文春文庫 う 36-2)

剣樹抄 (文春文庫 う 36-2)

剣樹抄 (文春文庫 う 36-2)

作家
冲方丁
出版社
文藝春秋
発売日
2021-10-06
ISBN
9784167917609
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剣樹抄 (文春文庫 う 36-2) / 感想・レビュー

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えみ

過去の過ち、咎ある秘密。悲しみと憤り。迷える心を衝いた天晴れな時代小説!勧善懲悪は勿論のこと、事件解決のために探偵さながらの調査や推理を披露する一連の流れはまさに時代エンタメ。一筋縄ではいかない敵との対決は一度だけでなく二度三度と繰り返されて、回数が増えるたびに対決の中に力以外の強さと、強くなればなるほど迷い生じる心の弱さが鮮やかに描かれていて興味深い。水戸・徳川光圀と、異能を持つ子供たち「拾人衆」の活躍ここにあり。実の父も育ての親も亡くした少年・了助と光圀の関係性も面白い。絶対続きが読みたい小説である。

2021/11/05

はつばあば

夕食後にTVで見つけたこの作品。一週間が待ちきれないと購入。届いた次の週は最終回だそうで( ;∀;)。黄門さんでお馴染みの光圀さんのお若い頃のお話。史実かどうかはこの際置いといて了助のの成長と・・光圀の心の葛藤と懺悔の物語。父を武士に殺され、育ての父も大火で喪った少年了助。孤児の了助と水戸の御曹司の出会いなんてそうそうあるものじゃない。時の老中の捨て子救済を兼ねての捨て子を間諜として育てる幕府の隠密組織「捨人衆」が光圀了助を引き合わせ・・禅寺ならではの舞台背景。正月最初の読本は光圀伝にしようと思う

2021/12/20

sin

『光圀伝』では武家社会の異質な倫理観を垣間見せたが、本作はどちらかと云えば現代の時代劇に近い感覚で描かれるようだ。だとしても光國の犯した過ちは物語に陰影を与えている。武士にとって平民は道具、無宿人ともなれば野良犬と変わらないのだろうか?彼は過去の行いに苦悩するが武士と云う立場が果たしてそれをどう結論づけるのか?始まったばかりのドラマのプロデューサーは多彩な人物を描ききれないことを後悔されているようだが、この複雑な葛藤を含む物語の下地を無視して、ただの勧善懲悪に貶めたことに反省が必要なのではないだろうか?

2021/11/09

優希

光圀伝に続き、冲方さんの光圀もの。これは若い頃の物語になるのですね。幕府の隠密組織「拾人衆」を育てている光圀の目に止まった了介。江戸を襲う盗賊や斬殺犯の登場もあり、ノンストップ時代エンターテイメントに仕上がっているように思いました。光圀が時代劇の匂いをさせないのもいいですね。

2022/07/08

どぶねずみ

NHK連ドラ鑑賞後のお復習として。徳川光圀と言えば、水戸黄門で仏様のようなイメージだが、ここでは結婚したばかりの若い頃の話。江戸初期には明日の命も保証されない無宿人が多くいたが、才ある子を幕府が拾って特殊な才能を育てる拾人衆という集団があった。このお目付け役だった光圀さま、若い頃に失敗がなければ仏のような人柄にはなれなかったはず。身分の上下なく人と接する光圀さまに信頼を置いていた了助だが、光圀さまには了助には打ち明けられない大きな失敗があった。この二人の関係にはいつもジーンとくるとても良い話だった。

2022/03/21

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