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あれは閃光、ぼくらの心中 (文春文庫 た 99-3)

あれは閃光、ぼくらの心中 (文春文庫 た 99-3)

あれは閃光、ぼくらの心中 (文春文庫 た 99-3)

作家
竹宮ゆゆこ
出版社
文藝春秋
発売日
2022-06-07
ISBN
9784167918958
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あれは閃光、ぼくらの心中 (文春文庫 た 99-3) / 感想・レビュー

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星野流人

凄まじい作品でした……。15歳で家出をした嶋と、彼を拾ったホストの弥勒。そんなふたりの奇妙な同居生活を描いているのですが……とにかく溢れかえる感情の描写が圧倒的でした。ピアノから逃げ出した嶋が、最悪な人生をぼんやりと生きてきた弥勒が、互いに影響を受けあって悶えながら這い進んでいく臨場感が素晴らしかったです。序盤から中盤にかけてはだらだらと共同生活を送り、終盤に入ってからは一気に物語が進み、そこからはもうのめり込むように読んでしまいました。物語の構成もうまく、そこにつながってたか!と唸らされます。

2022/07/08

kira

初読み作家さん。間に合わせでなんとなく選んだ1冊なんだけどこれは良かった!なんか本当に打ちのめされた(語彙力)!めんどくさそうな気配で失敗したかなと思った冒頭数ページの印象をみるみる覆す展開力と構成、伏線回収と心理描写の畳み掛けに脱帽。ピアノに挫折し家出を決行した中学生・嶋と心を半分置き去りにしたまま生きているホスト・弥勒。普通なら交錯するはずのなかった2つの小さな星。お互いを座標にして生きている意味を知ることができるなんて。そんな幸せがあるなんて。エモいなんて言葉では足りないほどの幸せ。

2022/07/25

よっち

音大付属中学に通う嶋幸紀・15歳。ピアノ一筋の人生が暗転し、冬の夜に自転車で家出した彼が、道に迷いヤンキーに追いかけられた先で夜空にギラギラと輝く25歳のホスト弥勒と運命の出会いを果たす物語。家出して都内に向かったはずがなぜか町田にいた幸紀が、酔っぱらいだった弥勒に縋って転がり込んだ部屋の壮絶な状況。15歳で家出をしたという意外な共通点を持つ弥勒の部屋に居候し、掃除をしながら送る奇妙な同居生活を送る二人の間には、育まれてゆく確かな絆があって、そんな彼らの波乱万丈な人生と結末にはぐっと来るものがありました。

2022/06/07

ブルちゃん

コーンスープのドタバタわらった🤣ゆゆこさんだなーって笑 そしてちょっと泣いた。映像化したら面白そうだな😊

2022/08/09

おすし

遅読中遅読な私が2時間弱で読んでしまったぞなんだこれは。令和の文学ってこんな?? 文字の並びやリズムが塊のまま眼球を通過して脳内で景色になる。文章の意味を理解して景色を組立てるんじゃなく…上手く言えないけど。すごい疾走感なのに明滅する光でコマ送り的になり目に飛び込んでくるひとコマずつがめっちゃ鮮烈、そんな文章。心象風景と現実の出来事を同時進行的に描くようなやりかたも不思議な没入感!と、ここまでベタ褒めのようですが、昭和女子の私には乗り切れないノリ…くっ悔しいぜ!小説が上手いな!!とはすごく思うんですけど!

2023/06/17

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