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ラーゲリより愛を込めて (文春文庫 へ 1―5)

ラーゲリより愛を込めて (文春文庫 へ 1―5)

ラーゲリより愛を込めて (文春文庫 へ 1―5)

作家
辺見 じゅん
林民夫
出版社
文藝春秋
発売日
2022-08-03
ISBN
9784167919214
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ラーゲリより愛を込めて (文春文庫 へ 1―5) / 感想・レビュー

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chiru

敗戦から12年、遺族に渡された6通の遺書。極寒と飢餓と重労働のシベリア抑留中に死んだ山本一等兵。彼は仲間を助け 何度殴られてもソ連軍に屈せず ハーモニカの歌を歌った。 小説に『そらんじる』という言葉があった。最後まで読むと、この言葉が重要な役目を果たす。遺書は彼を慕う仲間たちの懸命な作戦によりソ連監視網を欺く「驚きに満ちた方法」で 海を渡った。生きることを諦めず「希望」を捨てなかった山本。彼の言葉や行動は勇気を与え「当たり前」は 本当はかけがえのない「奇跡」なのだと教えてくれた本でした✨★5

2023/01/02

いこ

主人公山本は、終戦後ソ連軍の捕虜となり、食事も満足に与えられず、過酷な労働を強いられていた。寒さや絶望で次々と仲間が死んでいく中でも、山本は希望を失わなかった。歌を歌い俳句を作り、年少の者には字を教え「帰国の日は必ず来ます」と励まし、収容所中の仲間から慕われていた。しかし、病で命を落としてしまう。夫の訃報を知っても、妻のモジミは子供達を抱え懸命に生きていた。ある日から夫の収容所仲間が次々と訪ねてくる。彼らがもたらしたものが判った時、読者は必ずや涙にむせぶであろう。本書により、希望が人を生かすのだと知った。

2023/01/11

Die-Go

映画を観る前に一読。これでもかと感動を呼ぶ描写に、浸ることしばし。山本の生き方は周りを巻き込み、前を向いて生きることの大切さを改めて感じさせてくれる。★★★★☆

2023/02/03

そら

12月公開、映画化でタイトルを知る。藤原ていさんの著書「流れる星は生きている」で満州からの引き揚げの過酷さを知ったが、ソ連に戦犯として拘束され続けた日本人たちの10年の記録はやはり辛かった。よくこんな状況下で10年!も耐え抜いたと。多くの仲間が亡くなる日々で希望を与え続けた山本幡男の生涯は、人が人でなくなる戦争というものを絶対にやってはならないと心に刻まれる。この事実に基づくこの物語を涙なしで読めるだろうか!映画は絶対に号泣。それでも見に行く。辛いけど知らなくてはならない事実。

2022/10/17

CABIN

映画『ラーゲリより愛を込めて』のノベライズ作品。徹夜で一気読みでした。泣けるとわかっていても山本の遺書の場面はやっぱり涙が溢れてしまいます。シベリア抑留や太平洋戦争は自分が生まれるたった四半世紀ほど前の出来事。主人公をはじめ本に登場する人達は満州で戦死した祖父と同年代で、この物語が決して他人事には思えませんでした。今の日本を見て、たったそれだけの時の違いでこうも人生が違うのかと思うと、とてもやるせない気持ちになります。この様な悲しい出来事はまだまだ沢山あるのでしょうね。映画もまた観たいと思います。

2023/01/22

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