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極夜行前 (文春文庫)

極夜行前 (文春文庫)

極夜行前 (文春文庫)

作家
角幡唯介
出版社
文藝春秋
発売日
2022-10-05
ISBN
9784167919498
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極夜行前 (文春文庫) / 感想・レビュー

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ちびbookworm

大佛次郎賞などを受賞した前作、「極夜行」の前日譚。極北の極夜を冒険する準備に3年をかけた。◆地図もなく、GPSも使用せず、星の位置などを手がかりに進む探検方法を探る1章。ソロ犬ぞり用の犬を育てる2章。食糧をデポするため、凶暴な人食い海象の海をカヤックで渡る3章。◆高いエンタメ性に満ちた前作と比べ、本作は単調だった。2章は犬好きには辛すぎる。3章が一番ハラハラする。2作とも未読の方は、前作の「極夜行」だけをオススメする。

2023/06/08

活字スキー

『アグルーカ』から『極夜行』に至るまでの軌跡。約4ヶ月もの間続く氷と闇の世界を探検するための準備もまた、何度も死を身近に感じる過酷なものであり、角幡さんの探検にかけるテーマというか人生観にも決定的な影響をもたらすものでもあった。海象(せいうち)怖い。天測の練習や犬の訓練やデポの設置など、極地探検としては小粒な旅のつなぎ合わせながら、そのひとつひとつが確かに今現在の角幡さんを形作っているのだと感じられて面白かった。角幡唯介ファンブックと言ってもいいかもしれない。

2022/12/06

藤井宏

最近の寒さにおっくうになってしまう私ですが、あたたかくして北極を探検する旅の顛末をわくわくしながら読みました。本書で描かれているのは、1日中太陽の昇らない季節に犬とともにソリを引いて探検することを最終目的とした準備段階ですが、GPSに守られながらの探検では物足りないと天測での位置把握をしたり、飛行機での物資補給をさけるためカヤックでデポ設置に向かったり、とてもストイックな旅です。旅の途中に感じた気持ちが素直に描かれているので読んでて楽しかったです。最後はひやひやしました。極夜行も読まねば。

2022/12/19

shun

2022年51冊目。今年2回目の入院中に、手術を挟んで読了。前作『極夜行』の前日譚。作者の方の人生観や冒険に対する考え方はとても興味深いものがある。共に旅する犬を殴打する場面は、生のためとはいえ、気持ちのいいものではなかった。人間性を疑ってしまうシーンがあったり、考えが甘かったり、楽観的すぎるでしょそれはって思うこともあったけど、とても生命力の強い方なのだろうなと思う。前人未到の景色を見たいというのは、人間の遺伝子に刻まれている欲求なのだろうか。

2022/10/12

ゆうすけ

今年50冊目で読み納め、昨年60冊から10冊減です。引越しとかもあって1ヶ月以上かかってしまった。年始に前作『極夜行』を読んで、年末に本作という順番。こっちから読んだ方が流れ的にはスムーズかと思うけど、それぞれ独立した作品として十分に楽しめる。角幡さんのスタイルの変遷が面白い。最後に欧米の探検家への憧憬が全くなくなったと言い切っている。できればもう少し詳しい地図を付けて欲しかった。位置関係や状況がいまいちわからくて、すんなり入っていけない所が割と多かったと感じる。それにしても犬の扱いがひどいですね。

2022/12/30

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