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白鳥異伝

白鳥異伝

白鳥異伝

作家
荻原規子
出版社
徳間書店
発売日
1996-07-01
ISBN
9784198605407
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白鳥異伝 / 感想・レビュー

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森の三時

勾玉シリーズ第2作、古代日本を舞台に駆けめぐる神話ファンタジー。権力争い、親子関係、禁忌、闘い、絆、愛など盛りだくさんの要素があり、各自背負わされた定めは重いものでした。定めとは、抗うべきものと受け入れるべきものの両方で成り立っているから厄介です。登場人物が生き生きとしていていろいろな場面で感情移入し気に入った台詞がありました。593頁あり長いのですが壮大な物語なので読みきると達成感があります。大人の方が分かるような内容も含みますが、登場人物の前に進む力がすごいので児童書コーナーで若者に読んでほしいです。

2020/01/04

れいぽ

ぶ厚いけれど一気読みの面白さです!空色勾玉と地続きの、200年後の物語。小倶那と遠子の絆の強さ、運命に翻弄される切なさも読みどころでしたが、遠子が勾玉をひたすら求める旅が自分探しのように思えました。そのためかファンタジー要素は強いながらも、ふわふわしたファンタジーではなく骨太な味わいがあります。荻原さんの言葉にひそむ勾玉に吸い寄せられて迷い込んだ勾玉ワールド。次はどこへ誘ってくれるのでしょうか?楽しみです^^

2010/09/12

井月 奎(いづき けい)

物語の主人公、小倶那(おぐな)は存在するだけで孤独に苛まれ、いわれなき憎悪を向けられます。彼は自らの死をすら願います。それでもなお彼は生きなければいけないのです。なぜか、それは人間が可能性を抱いているからです。運命を受け入れて戦いぬけば、たとえ運命に負けたとしても、後の人が運命と戦えるのだ、と思うきっかけになるでしょう。そうすればいつか運命にすら打ち克つ人間が現れるかもしれない、その可能性を生み出すために生き抜かなければならないのです。可能性を追い、誰かの可能性になり人は生きていくのではないでしょうか。

2017/06/08

ほたて

双子のように育ったふたり、自己主張が苦手な小惧那を守り代弁する遠子と、台風の目のような遠子のおもりが自分の役目だと思っている小惧那。無邪気な時は終わりを告げ、二人の進む道は別々の方向へ…。大人になる小惧那に対して、女になることを拒否しひたすら小惧那を待つ遠子が切なく、もどかしい。そして、ふりかかるさらに過酷な運命。どっぷり恋愛だけの小説は苦手だけど、まったく恋愛要素ゼロの本は物足りない。ファンタジーと成長の物語と恋愛のバランスがちょうどいい読みごたえのある本でした。

2013/03/20

アニー

分厚いため通学読みが出来ずもどかしかった今作。夜に一気読みしましたが、面白かった! 特に好きだったのは遠子が小倶那を倒すことに心の拠り所を置いて、勾玉の力を得ようと懸命になるところ。始めから使命を与えられる主人公より、自分から役目を求めて足掻く彼女は素敵です。菅流に主役を奪われなくて良かった笑 欲を言うなら後半にもっと緊迫感が欲しかったことと、遠子によって変わりそうだった大王が放置だったのが個人的に残念でした。親父はあのまま反省会かな。 私自身は菅流派でも小倶那派でもなく角鹿派です(^-^)

2016/07/30

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