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あやかし草子 みやこのおはなし

あやかし草子 みやこのおはなし

あやかし草子 みやこのおはなし

作家
千早茜
出版社
徳間書店
発売日
2011-08-26
ISBN
9784198632281
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あやかし草子 みやこのおはなし / 感想・レビュー

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Yoko Omoto

千早作品初読み。人ならぬものたちの純粋さや優しさに心が震えるような、何ともせつなく美しい六編のお伽噺。人間の豊かな感情を滑稽に思いながらも、心のどこかで少し理解してみたいと願うあやかしたち。"悪い者など人の世にしかおらん"そんな彼らの通念が、人との交流によって僅かながらも解け、形を変えていく様子に、どこか安堵にも似た温かな余韻が残る。マイベストは、人間が流す涙という不思議なものの理由を知ってみたいと願ったムジナの物語「ムジナ和尚」、互いを必要とし合う天狗と姫の、心の繋がりが情熱的に描かれた「天つ姫」。

2017/01/23

❁かな❁

お気に入りの千早茜さん作品を読むのは7作目。仲良しのお気に入りさんがプレゼントしてくれました!こちらは和テイストのあやかしと人にまつわるお話です。6編の短編集。千早さんはこういう幻想的なお話も書くのが得意だなぁと思います!もちろん現代のお話もとても好きです♪だけど、この独特の空気感も千早さんらしいと思いました。それぞれ切なかったり、寂しい雰囲気の作品でした。綺麗な文章で読みやすかったです!私は「ムジナ和尚」も印象的でしたが、この中では「天つ姫」が一番良かったです☆ラストも良かったですし交流も素敵でした♪

2014/03/09

あも

鬼の笛/ムジナ和尚/天つ姫/真向きの竜/青竹に庵る/機尋。モノクロの音を感じた。音に対して不適切な表現かもしれないが、そんな音色。デビュー作『魚神』を彷彿とさせる筆致。鬼、天狗、龍…人ならざる物は人と出会うことで初めて物語を産む。理解の及ばぬ物まで引き寄せ理解しようとするところに人の哀しさと素晴らしさがある。獣も妖もとても純粋で自身のルールに忠実だ。約束を違えるのはいつも人の方。「天つ姫」のラストの静かな美しさに心が揺れる。渺々と鳴る風の音、茫々と響く笛の音。表に出ない心を塗り込めた墨絵のような単色の音。

2018/02/13

nico

人と妖かしの関係に想いを巡らせる6つの短編集。大人向けのちょっとヒヤリとする「日本昔話」のような物語。特に「ムジナ和尚」「天つ姫」「真向きの龍」が切なくて泣ける。妖かしの目から見た人とはなんと強欲なことか。人は恐れたり憎んだり喜んだり悔しがったりと幾多の感情をさらけ出す生き物だ。そんな人を惑わす様々な妖かし達。妖かしの一人(匹?)のセリフ「私は嘘はつきません。嘘をつくのは人だけです」に衝撃を受けた。そして人の流す涙に妖かし達は衝撃を受けたに違いない。切なさと優しい余韻の漂うお伽噺だった。

2017/05/24

るな

現代劇も良いけれど、この手のレトロなお伽噺風の作品の中でこそ千早さんの本領が発揮されるのだと思う。女性版恒川光太郎とも呼ぶべき本作は息苦しいまでの色彩、匂い、艶美に満ちていた。寝食以外の余計なものを求めるところから人間の不幸は始まる。人は動物としての流れに背くことばかりする。次々と欲するくせに手放そうとはしない。ひと所にじっとして、何もかも積み上げて、掟だの人情だのでがんじがらめに縛り合う。人外のものを描くことによって、不完全で脆くて、『でもだからこそ』の人間の姿が浮かび上がる。

2015/02/25

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