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鯖 (文芸書)

鯖 (文芸書)

鯖 (文芸書)

作家
赤松利市
出版社
徳間書店
発売日
2018-07-21
ISBN
9784198646547
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【ひとめ惚れ大賞】寝泊りしていたマンガ喫茶で書いた小説でデビューしました『鯖』赤松利市インタビュー

『鯖』

赤松利市 装丁:水戸部功 編集:鶴田大悟 徳間書店 1700円(税別)

帯文にある「62歳 住所不定 無職」というのはデビュー時のプロフィールです。かつては、会社を経営していました。35歳の時に起業してから20年間、ゴルフ場関係の仕事をやっていましたが、震災など様々な要因が重なって破綻しまして……。起死回生を狙って被災地である東北で違う仕事を始めました。でも、そこでも行き詰ってしまった。それで東京に逃げ帰り、日雇いで働きながらマンガ喫茶や路上に寝泊りしていました。デビュー作を書いたのも、そのマンガ喫茶です。

小説は昔から月40~50冊ほど読むくらい好きでした。が、最初に自分で書いたのは会社経営をしている50歳のとき。そのときは知人に読んでもらうためだけに書いたのですが、のちに書いた小説が日本ホラー小説大賞で最終選考に残って、手ごたえは感じていたんです。だから「このまま終わりたくない」と思ったとき、小説に賭けてみようと。デビュー作『藻屑蟹』を1週間で書き上げて、大藪春彦新人賞に応募、そこから現在に至ります。

デビュー2作目の『鯖』を書き始めたのは…

2018/12/9

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鯖 (文芸書) / 感想・レビュー

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ミカママ

頭抜けたテンポとリズムの文体、これがデビュー作とは。人生の裏街道をも歩んだ、著者ならではの作品だろう。ラストはまさかの展開で、ページをめくる手が止まらない。重箱をつつくと、IT成金の村瀬のセリフ「アメックスのプラチナで払える?」に著者の庶民感を感じてしまった。本当の金持ちはインビテーションオンリーのブラックだからね。

2021/02/03

W-G

面白い。前から気になっていた一冊。分厚く、読み終わるのに時間がかかりそうで、後回しにしていたが、思っていた以上にとっつきやすい文章で、一日で読了。島暮らしの極貧漁師団の日常がまったりしたペースで描かれ、こちらもそのつもりで読み進めていると、いつの間にか、歯車の噛み合っていない狂った世界にドップリと首まで漬かっている。新一の変容の仕方や、アンジの価値観は諷刺的にも感じられる。それにしても、ノワール?なのか、題材選びが個性的で、他ではなかなか味わえない読書体験をくれる。

2019/04/26

鉄之助

「海の雑賀衆」=一本釣り名人集団、の成り上がり物語かと思って読み進めたら、血なまぐさい殺戮の幕切れ。予想とは違った印象に、戸惑った。”感動”のどんでん返しもなく、チョット消化不良な感じだった。醜い見た目に生涯コンプレックスを感じていた主人公。腐りやすく”青魚”として敬遠されがちな鯖にかけて、「鯖餓鬼」と母親からも蔑まれて育った。主人公に思い入れたっぷりで読んでいただけに…。

2021/10/28

しんごろ

これは一本釣りを生業とする荒くれ漁師のサクセスストーリー。とにかく個性溢れる5人の漁師が、鯛、鯖、鰤、時にはクエも釣る!釣る!釣りまくる!その日暮らしの雑賀衆の面々。ビジネスチャンスがあって、一獲千金でみんな、幸せになって良かったねと思いました……ん、あれ?……って、おい、サクセスストーリーにならんのかい(怒)まさかのとんでもない展開!エグいわ!人間の闇、欲望、醜さ、さらに狂気に走る瞬間を見てしまった。恐いわ~!そして男性諸君、怖いと言えば女も怖い。綺麗な女性にはトゲがあるよ。気をつけてね。

2019/08/14

しんたろー

赤松さん2冊目…何なのだろう?この惹き込まれる感覚は!見てはいけない危ない何かから目を背けられない、ある種の背徳感を伴ってゾクゾクする…コンプレックスの塊のような主人公を中心に底辺で生きる漁師たちの物語は、シリアスなのにコミカルで、人情ものでありサクセスストーリーでもあり、ノワールなサスペンスに急展開する…個性的な登場人物たちが表裏の顔を使い分ける生き方がリアルで、純な想いと暗黒の闇が読み手の心を鷲掴みにしてくる。アクが強いので好き嫌いが真っ二つに分かれる作品だと思うが、クセになる作風を素直に称賛したい。

2019/06/03

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