坂の上の赤い屋根 (文芸書)
「坂の上の赤い屋根 (文芸書)」のおすすめレビュー
実の娘とその恋人による夫婦殺害。切り刻まれコンクリート詰めされた残虐な事件の謎が18年後明らかに…?
『坂の上の赤い屋根』(真梨幸子/徳間書店)
ドロッとねばっこいイヤミスの名手・真梨幸子氏。その期待を裏切らない新刊『坂の上の赤い屋根』(徳間書店)では、凄惨な殺人事件を中心に不快感MAXの人間模様を描き出す。
本作の舞台は、世間を震撼させた殺人事件の18年後。「文京区両親強盗殺人事件」と呼ばれるそれは、人格者と評判も高かった夫婦が実の娘・青田彩也子と、その恋人・大渕秀行によって身体中を切り刻まれ、コンクリート詰めにされた事件だ。
当時、高級住宅街で起こった凄惨な殺人事件はマスコミを賑わせたが、大渕秀行に死刑、青田彩也子に無期懲役の刑が確定したことで一件落着となった。
事件発生から18年。この事件をモチーフにした小説を週刊誌で連載するため、作家と編集者が関係者に取材をおこなってみると衝撃の真実が明らかとなる――、というあらすじだ。
実行犯の刑が確定している「文京区両親強盗殺人事件」は、世間的にはすでに“終わった”事件である。しかし実は公判中、彩也子と大渕それぞれの言い分は大きく食い違っており、実際は“どちらが主犯だったのか”はっきりとしていない。
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2020/2/8
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坂の上の赤い屋根 (文芸書) / 感想・レビュー
starbro
真梨 幸子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者らしいイヤミス、今回は人間関係も比較的解りやすく、一気読みしました。『坂の上の赤い屋根の家』恐るべし。【読メエロ部】
2019/12/09
うっちー
真梨作品らしいですが、この小説は何となく先が見えた
2019/12/09
いつでも母さん
あゝ、今回もまんまと騙されて・・の巻。そうだよね、なんとなく怪しい人物だったよね。じわじわと真梨作家の狂気の世界に引きずり込まれ、気が付いたらズブズブと抜けられない・・癖になるぅ。いつもながら嫌な奴ばかりでげんなりしちゃうのになぁ(汗)
2019/12/12
ごみごみ
一気に読んだせいか、それほど混乱することはなかった。女同士の腹の探り合い。嫉妬心にお金が絡むと恐ろしい。結局みんなしてやられたってことか・・黒幕のひとり勝ち。やっぱりイヤミス全開だった。装丁の薔薇はとても美しいのにね。
2020/01/11
ゆのん
【NetGalley】最近、平和な本ばかり読んでいたせいか食い入るように読んでしまった。『類は友を呼ぶ』ではないが屑には屑が寄ってくるのだなぁと感心すらしてしまう。出てくる人出てくる人がここまでヤバイとは…。21歳の男と女子高生のカップルが両親を殺害しコンクリート詰めにした事件の10年後を描いている。最後の最後に『えっ!!』と驚く様な真相もあり真梨幸子力炸裂。久しぶりに不穏な本を読んで気持ちが引き締まった感じがする。350
2019/11/15
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