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白鳥異伝 下 (徳間文庫)

白鳥異伝 下 (徳間文庫)

白鳥異伝 下 (徳間文庫)

作家
荻原規子
出版社
徳間書店
発売日
2010-07-02
ISBN
9784198931858
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ジャンル

白鳥異伝 下 (徳間文庫) / 感想・レビュー

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財布にジャック

下巻では遠子も小倶那も菅流もそれぞれ輝いて見えました。しかし、その中で真太智だけは、ちょっと可哀そう過ぎる扱いで残念でした。勾玉を集め冒険するワクワク感や菅流の明るさと母との葛藤に悩む小倶那の心の闇が対極にあり、バランスの良いファンタジーだと思いました。空色勾玉より個人的にはずっと好きです。最後の方では、畳み掛けるように物語が収束に向かいどうなることかと心配でしたが、うまく着地して気持ちが良いラストです。

2010/12/14

文庫フリーク@灯れ松明の火

『欲も得も色気も売るほどある』と言い放つ管流が主役喰いのオトコマエ&減らず口のお人好し。葛木蛇神との闘いに臨む管流の、加解姫にかける言葉の優しさよ。真っ直ぐな遠子の心が折れた姿【宮】小倶那の魂に仮面をかぶせた小碓命。けものを眠らせ剣を封じたのは幽の勾玉――御統の力・二人の勇気と捨て身の決断。さても嬉しき幸せな結末・解き放たれた二人は放っておいて(笑)【明】の勾玉・遠子からへだてられた【日高見の勾玉】が気に掛かる。残すは『薄紅天女』のみ。

2010/10/12

優希

あまりにも大きなものを背負っていることで、どのような道を歩むことになるのか、不安が拭えませんでした。「玉の御統」の主人となった遠子、呪われた剣を手にした小倶那の再会が運命の要というのが鳥肌ものです。とはいえ、最後は救いのあるハッピーエンド。双子のようであり、相反する宿命にある2人の成長の物語を堪能できました。

2018/04/08

ごに

遠子の哀しい決意から始まる勾玉探しの旅。そう思い込まなければ、遠子には小倶那に逢いに行く大義名分が無かったのではないかと思いました。呪われた剣に運命を翻弄される小倶那が、遠子との再会により“生きる”事を始めて願う。“あなたのため”は必ずしもあなたのためでは無く、許容と言う選択肢も有るのだと言われた気がします。ヤマトタケルがモチーフの話しをどう納めるのか?!それが一番気になって夢中で読みました。最後の菅流との会話に三部作ラストへの予兆が有るのが嬉しいです。

2014/12/08

mayu

小俱那を探し求めて、困難に負けずに旅を続ける遠子。強い力を持ちながらいつも孤独を抱えている小俱那。どんなに離れていてもお互いを想い、二人が再会を果たした時から物語は大きく動き始める。憎しみだったはずが、変えがたい愛に気づく時。がむしゃらに、ただ真っ直ぐに突き進んできた遠子が手放すことを知り、相手を信じることを知った最後の選択が成長と深い信頼を感じた。立場はもう離れて、昔のままにただ向き合い二人が幸せになれますように。苦しい場面でも明るく助けてくれる菅流の存在も大きかった。

2020/10/30

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