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千年鬼 (徳間文庫 さ 37-1)

千年鬼 (徳間文庫 さ 37-1)

千年鬼 (徳間文庫 さ 37-1)

作家
西條奈加
出版社
徳間書店
発売日
2015-08-07
ISBN
9784198939953
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千年鬼 (徳間文庫 さ 37-1) / 感想・レビュー

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しんたろー

読友さんたちがオススメしてくれた作品。西條さんは『刑罰0号』を先に読んだが、 こちらのほうが得意のジャンルらしい。昔々の日本を舞台に輪廻転生ファンタジー が小気味良く展開して、あっという間に読めた。途中までは不思議な話エピソード 集かと思っていたが、途中から物語の関連性が判り、小鬼の健気で真っ直ぐな 想いに何度か胸がキュンとさせられた。命の尊さと儚さ、人間の強さと弱さ、私たち が忘れがちな事を童話のように語りかけてくれてスッと心に入ってきた。読友さんに 感謝しつつ、我が娘&息子にも読ませたいと思った。

2017/01/18

nobby

「ずうっと、一緒にいよう…」ある日出逢った少女を見守り続ける小鬼の千年かけての罪滅ぼし…過去見という能力により人の鬱憤を取り除く鬼のコミカルな逸話の繋がりだす中盤から、“鬼の芽”なる物語の真意に行き着くと俄然感動モードに変容する。小鬼は人になって、おかあに抱っこされ、頭を撫でられ、乳をもらうことに憧れた。それ行う人は授けられた知恵が畏れを生み、時が下るごとに法度だの禁忌だのはどんどん増え住み辛くする…その罰としての末路は砂か地獄か…そこに希望があればこそ無垢な少女の小鬼を求める千年先に必ずや光射すことを!

2020/12/01

❁かな❁

純粋な想いにいっぱい涙が溢れました。小鬼と山で出逢った少女、民。ほんのひとときの心温まる交流から千年もの時を超える物語が始まる。西條奈加さんの作品を読むのは2作目。7編の連作短編集。「鬼の芽」を心に生じさせてしまった者を宿業から解き放つ為に現れる小鬼。どの章も哀しく辛い現実があり胸が痛くなる。後半に進むにつれ小鬼の真っ直ぐで健気な想いを知り、たまらなくなる。ラスト2章切なくて涙が止まらなくて…。純粋な愛の物語。読了後も温かく切ない想いにまた涙が頬を伝う。きっと大丈夫。2人ならまた会えるよ。素晴らしい作品。

2017/09/25

新地学@児童書病発動中

鬼を主人公にしたファンタジー。純愛小説でもあり、物語の中で描かれる時を超えた愛の形に涙がこぼれた。主人公の子鬼が人の心に芽生える「鬼の芽」を、いろいろな時代に現れて摘み取っていく前半は連作短編という感じだが、この物語のスケールの大きな構造が明らかになっていく後半は、ページをめくる手が止まらない。エンターテイメントの枠組みながら、「鬼の芽」という表現で人の心の暗黒面を怯むことなく描く作者の姿勢に感心した。三話目の虐げられた農民たちの一斉蜂起には鬼気迫る迫力がある。結末はあまりに切なくて、泣くしかなかった。

2015/11/01

Makoto Yamamoto

久しぶりの西條奈加。 タイトルにあるように選もの長い期間の赤鬼(小鬼)の頑張りが各章に綴られている。 鬼は悪くない人鬼(人が鬼になった)が悪さをするので怖いという前提で、人が鬼になるまでに鬼芽を摘むことが命題となっている。 手段は「過去を見せる」こと。 最後の三章でなぜ千年なのかがわかり、最終章で同じ作業続け、たまに見せる笑顔がある民が何とも愛おしい。

2020/05/26

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