ランチに行きましょう (徳間文庫 ふ 40-1)
「ランチに行きましょう (徳間文庫 ふ 40-1)」のおすすめレビュー
共通点は“子ども”だけ。一筋縄ではいかない幼稚園ママ友の世界
『ランチに行きましょう(徳間文庫)』(深沢潮/徳間書店)
好きな場所で、好きな人とだけ関わって生きていけたら幸せだが、中々難しいのが現実だ。愛する人と結婚しても、相手の家族や親戚が素敵な人ばかりだとは限らないし、職場にいる人全員と気が合う! なんて奇跡は、恐らく滅多に起こらないだろう。
筆者は母親ではないので正確なことはわからないのだが、「ママ友」なんて、特に大変なのではないだろうか。
自分だけでなく、子供の人間関係も考えねばならないため、嫌な思いをしても、さっさと去るわけにもいかない。彼らは一体、どんな人間関係を構築して、何を思って生きているのだろう。
深沢潮の『ランチに行きましょう(徳間文庫)』(徳間書店)は、5人のママ友たちの交流を描いた小説である。
彼らは、同じ幼稚園に子供を通わせていて、幼稚園バスの送迎場所が同じことがきっかけとなり、ランチに行くようになる。
しかし、当然のことながら、5人の母親は、年齢も、学歴も、家族構成も、年収も、そしてもちろん生き方も全く異なる。共通するのは「子供」だけという状況の中、それぞれの人生が交錯する様子…
2019/1/4
全文を読むおすすめレビューをもっと見る
ランチに行きましょう (徳間文庫 ふ 40-1) / 感想・レビュー
いたろう
幼稚園バスの送迎場所が同じ5人のママ友たち。バックグラウンドも学歴も生活レベルも趣味趣向も異なり、年齢も同じではない。離婚したシングルマザー、バツイチ同士の結婚、離婚の危機、不倫、等々、夫婦の状況も様々な彼女たち。全6章。5章まで、ママ友たち一人一人に焦点をあて、それぞれの現況、抱える悩み、他のママ友たちとの接し方を描く。ママ「友」と言いながら、自分で選んだ友達ではなく、子供を介した表面上のつきあいのはずだったのが、摩擦を生みながらも、徐々にプライベートを明かし合い、本当の友達のようになっていく様がいい。
2019/12/14
のんちゃん
ここのところ何冊か刊行されているママ友小説の一冊。人間関係のしがらみを描く小説は身近な感じもあり、興味深く読める。表面的な繕いや各々の感じる嫉妬や価値観の違いなどなど、ママ友の関係は小説的題材の宝庫だ。私自身は、子供達が幼稚園の時や学齢に達したあたりの時代には、まだ、SNSも発達途上で、あまりその人間関係に振り回されることもなく、平和に過ごせた。今のママ達は家に帰ってからもその関係を引きずることになる。大変だ。でもその中から何人かはママ友でなく「私の」友達になる人がいる事もまた事実。経験者談です!
2019/05/10
ベローチェのひととき
幼稚園の送迎バスの送り迎えで集まるママ友が主人公の物語。5人のママ友が描かれている。6編の短編からなる連作短編集。各編で5人それぞれの家族での秘密にしていることについて描かれている。一見、幸せそうに見える家族であっても何らかの問題や悩みを抱えているんだなと思った。
2019/06/03
くままごと
おもしろかった!序盤は主人公がひたすら虐められる展開だとどうしよう…と思っていたけど、出てくるママ達がいわゆるテンプレなようでテンプレでない。ママ友という軸で女性を描いた群像劇だけど、個々にフォーカスした描き方がよかった。昼ドラチックだけど、実は結構リアルだと思う。男性んはわからないかもしれないけど、ママ友の関係って実はほとんどが子供のためなんだけど、そこを超えると強い味方になるんだなーと。母親って大変。子供ができた途端、パーソナリティは無視されて◯◯ちゃんママになる苦労、ですね。
2018/07/07
ねこねこ
prime readingにて。同じマンションで同じ幼稚園のママ友5人の話しです。それぞれのママ達の問題や悩みを各話毎に解決していく話しで性描写もけっこうありで表紙の可愛いイラストから想像してたのと違う感じでした。スピリチュアルにハマってるママが特に家庭も精神も崩壊レベルでしょ?って感じで各話毎の最後のお決まりの「ランチに行きましょう」ですまされないでしょ…とかランチに五千円とかボトルでワイン開けるとか私のママ友生活とは、違いすぎて違和感しかなかったですね〜なんかどのママにも共感出来ずでした。
2019/10/10
感想・レビューをもっと見る