一億円のさようなら (徳間文庫)
一億円のさようなら (徳間文庫) / 感想・レビュー
小説を最初に書いた人にありがとう
20年連れ添った妻が48億円の資産を持っていたことを今更知ってしまう話。この衝撃的な事実が序盤で知らされる。後は680ページの厚さからもう一度ピークが来るだろうと言う期待が付きまとう。主人公がどうにも魅力がなく、一癖ある人物と匂わせる割には底の浅い人物で好きにも嫌いにもなれず感情移入には程遠い。妻の考え方にもリアリティが無く。680ページ読み切った達成感が救い。
2020/09/26
杜子春
白石一文の作品は目にとまるとつい読んでしまいます。50代男のお伽話とも言えますが、家族のありようなどいろいろ考えさせられました。いくつか伏線的なエピソードが回収されてないようにも思えますが、ただでさえ長編なので野暮なことを言うのはやめます。
2020/11/06
時代
かなりの頁数であるが、長さを全く感じないほどのめり込んで読んでいた。展開とスピード感と幾つかのテーマ全てが絶妙で素晴らしい作品だと思う。これは映像もチェックせねばなるまい。夏代が最後に提示したアレ、鉄平はどう判断するのだろうか。嗚呼、余韻と想像でまだまだ楽しめる◎◎
2020/10/13
shun
もしも大金が手に入ったらと、誰もが思い宝くじなど買ってみるのだが、そこには想像する些細な喜びがある位で実際は貧しい自分の、いや心の貧しい自分を恥じてしまう。金と自分がもっとも信頼する人、どちらを最後は選ぶのかと言われれば正直分からないというのが多くの人の心境だろう。私達の心は貧しく、信じることは難しい。そんな小説だったと思う。
2020/11/17
しろ
夫婦は恋人ではない。結婚生活の摩訶不思議さを改めて突き付けられた気がする。
2020/10/31
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