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20世紀

20世紀

20世紀

作家
アルベール ロビダ
朝比奈弘治
出版社
朝日出版社
発売日
2007-05-17
ISBN
9784255003887
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20世紀 / 感想・レビュー

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lico

【第60回海外作品読書会】作者の時代から70年後の地球の想像図。主人公エレーヌが様々な職業を転々としていきながら未来の地球の風俗を眺めていくのだが、この世界のフランスは文学や芸術が廃れ、革命すらもショーになってしまったユートピア社会になっている。ほぼ1頁に一枚の頻度で挟まれる作者自筆の挿絵がいい雰囲気をだしている。「何、描写が分かりにくい?それなら横の挿絵を見るんだ」と作者の声が聞こえてくるような親切設計。『すばらしい新世界』に近いけれどお国の違いかこちらの方はどこかひょうきんな新世界に仕上がっている。

2016/04/20

Mentyu

古いSF小説というと、大抵は科学技術の描写に主眼が置かれていて、それ以外の要素は重視されていないことが多い。この本の面白いところは、その傾向に真っ向から逆らって、科学の話よりも社会の姿がどう変化したのかという点を強調したところだと思う。作中ではくどいほど男女同権のエピソードが繰り返される一方で、革命の定期開催や国家の企業化など、社会風刺と受け取れるような描写も多い。つまるところ、19世紀フランスのお国柄が色濃く反映された、社会派SFの走りといったところだろうか。ちなみに、作者による挿絵はかなりファンシー。

2017/06/09

uni

何度目かの再読。いつも文章というより、絵を楽しんでます。フランスの小説家でもあり挿絵画家でもあるアルベール・ロビダ。彼の絵が大好きです。この作品の中に数多くの挿絵が描かれてますが、素敵です。空想的な未来を描いた本ですが、当時の風習の延長のようで、少し奇抜な世界観のようで、部屋に大きなポスターが欲しいです。空中都市、気球カジノ、雲の宮殿、空の悪漢と空中警察、、、、1882年に描かれたこの作品。空に夢見てたのですかね。

2013/08/02

頼ママ

な〜んだ、20世紀のことを書いた本? と思って読むと、とんでもない。これは今から130年ほど前の1882年に、80年後である1952年を想像して書かれた本なのです。人々はアエロネフと呼ばれる空中船で移動し、様々な職業で女性が活躍し、料理はチューブを通して料理会社から運ばれてくる。21世紀の現代においてもまだ実現しないこともありますが、明治の頃にテレビや新幹線のようなものを考え出した著者の卓越した想像力には脱帽だし、ふんだんに入ってる著者自身による挿し絵も素晴らしい。一読の価値アリ!です。

2012/09/16

ハマダしょうたろう

19世紀にいかに未来が素晴らしいものかを予測した作品である。 内容は当時の最先端技術の映像・電話・飛行船・電気などが社会に 与えるか、また社会の風俗や形態がどうなるかを面白おかしく描い ている。 しかし、同書はSFの冒険活劇のジュール氏のような派手さはないが、 いわゆる身近な日常生活におけるSFを中心としている。そこには、 19世紀の古典的な社交界が残ったり、新技術による変化がなんとも 混在する面白い未来が描かれている。 また、現実したものが少なからず描かれていることも、また興味を引く作品である。

2013/08/29

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