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食べることと出すこと (シリーズ ケアをひらく)

食べることと出すこと (シリーズ ケアをひらく)

食べることと出すこと (シリーズ ケアをひらく)

作家
頭木弘樹
出版社
医学書院
発売日
2020-08-03
ISBN
9784260042888
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「食べることと出すこと (シリーズ ケアをひらく)」のおすすめレビュー

元首相も患う難病・潰瘍性大腸炎――絶食後に食べたヨーグルトが爆発!? 食事と排泄が当たり前でなくなった世界で見たものは――

『食べることと出すこと』(頭木弘樹/医学書院)

 〆切がとっくに過ぎた原稿を必死の形相で取り組んでいる時、食事と排泄が面倒に感じることがある。なぜ忙しい時に、ご飯を食べて、トイレに行かねばならないのか? …と、自業自得による苛立ちを、人間の自然な営みにまでぶつけながら、高速でキーボードを打つ。だが、もし、この食事と排泄が「当たり前」でなくなってしまったら、日常や内面にどんな変化があるのだろうか――。現在は文学紹介者として、悩み苦しんだ時期に心に沁み入った言葉を紹介している頭木弘樹さんの新刊『食べることと出すこと』(医学書院)は、その顛末が深みのある柔らかな筆致で綴られる1冊だ。

 著者の頭木さんは、20歳の時に、難病・潰瘍性大腸炎を発症。13年にわたる闘病生活を送った。潰瘍性大腸炎の基本的な症状は、下痢だ。病院にかつぎ込まれた時は、高熱と痛みでもがいて壁をかきむしるほどだったという。便意自体も通常の下痢よりかなり激しいにもかかわらず、入院先の病室はトイレから離れていたそうだ。著者はそんな中、1日20回以上、うまく回転しない点滴スタンドをヤリのように持…

2020/9/22

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食べることと出すこと (シリーズ ケアをひらく) / 感想・レビュー

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アキ

著者が潰瘍性大腸炎という難病を患い大変な経験をした事から「食べること」と「出すこと」についての考察を多くの文学を引いて説明している。特にカフカ研究者として彼の言葉を多く引用している。「食べること」は、受け入れることと説く。考えてみれば、口からおしりまで未知なるものを通してしまうなど大変大胆なことに違いない。「出すこと」について、人前で恥をかくと他人に服従しやすくなることに行き着く。コロナの今、引きこもることや、病むこと、孤独であることなど、著者ならではの「経験の先覚者」の言葉が誰の心にも届くのではないか?

2020/12/13

どんぐり

「潰瘍性大腸炎」は、時の総理を苦しめた難病として、いまではよく知られるようになった。難病だから治りはしないし、本人が語らない限りどんなことに苦しんでいるのかは、なかなか伝わってこない。そういう意味では、この病気を抱えた当事者が自分の体験をとおして、この病気の最も切実な問題群の「食べること」と「出すこと」について率直に語っている点がたいへん興味深い。食べられない物が増えて外界に対して拒絶的になったり、漏らすことによって「尊厳」を失っていく、そのあたりの自問自答から病いがもたらす現象の意味づけや生き方を見出そ

2021/02/01

honyomuhito

著者は難病の潰瘍性大腸炎を二十歳で患い、その後13年間入退院を繰り返した。コミカルなタイトルと装丁に勘違いしそうになるが想像していたものの100倍くらいキツそうである。「患う」ということは病による苦しみだけでなく、普段意識しないで済んでいる孤独を如実に避けようもなく感じることだというのがよくわかる本である。「共に食べる」ということが人間に何をもたらすかを知っている人間が、ある日突然否応なくそれを取り上げられる。あまつさえ意図に反して取り上げられたにもかかわらす努力が足りないのではと糾弾される。

2021/05/14

こばまり

斯くも平易な言葉で核心を突けるものかと、その瑞々しさにてっきり著者は青年と思った程だ。確かに高齢者と話しているとその関心事が食事排泄睡眠に収斂されていくことに気付く「なんでもないようなことが幸せだったと思う」と私も虎舞竜の引用で閉めたい。

2021/01/20

抹茶モナカ

頭木さんの著作は、なんとなく読み継いでいて、図書館にリクエストして読んだ。『絶望』シリーズのファンなので、その根本原因の難病の話で一冊書かれたのか、という興味もあった。在野の文学研究者で、これまでの氏の著作読者への目配りもあったのか、偉人や文学からの引用も配されている。病気の経験談だから、僕も治らない精神疾患を持っているのもあり、幾ばくかの共感と、自分はまだ恵まれているのだな、という感覚。そう言えば、安倍晋三さんもこの本での難病と同じ病気だな、と思ったけど、そういうカテゴライズが嫌だと本の中にあった。

2020/10/11

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