恋の絵本 (1) すきなひと
「恋の絵本 (1) すきなひと」のおすすめレビュー
これから恋を知る人、今恋をしている人、かつて恋をしていた人へ――桜庭一樹と辻村深月が送り出す珠玉の「恋」を絵本で!
ディズニーを観て育った私はどうしても、恋をして結婚してめでたしめでたしの理想から抜け出せずにいる。……と、さみしげに言った友人がいる。彼女が好きになる人は決まって女性だ。「好き」の想いに貴賤はなく、自分の想いは自分だけの大切なものだとわかっていても、幼いころに植えつけられた“普通”や“正解”とのはざまで苦しむ、彼女のような人は少なくない。だから、今、岩崎書店から2冊の「恋の絵本」が刊行されたことがとてもうれしかった。大人も子供も、自分だけの「好き」を大切にして、そっと静かに育てていきたいと思える、そんな絵本だったからだ。
『すきなひと』(桜庭一樹・作、嶽まいこ・絵)
第1弾となる『すきなひと』(桜庭一樹・作、嶽まいこ・絵)は、ある夜、「好きな人がいるから追いかけている」という“もうひとりのわたし”に出会った“わたし”。好きな人って、なに? どこにいる、どんな人なの。“わたし”は“もうひとりのわたし”と一緒に、見知らぬ誰かを追いかけはじめる。
やがて夜は朝になり、夏は過ぎて冬になり、朝がまた夜になっても。いつか出会えるかもしれない、世界のど…
2019/5/21
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恋の絵本 (1) すきなひと / 感想・レビュー
starbro
桜庭一樹は、新作中心に読んでいる作家です。書店を5軒廻ってようやく見つけました。著者の絵本は初読です。100憶年も待って出逢う人とは、どんな人なのでしょうか?私は待っても1年程度です(笑) https://www.iwasakishoten.co.jp/special/contents/02241/
2019/06/03
やすらぎ🍀
ある夜にすれ違った人。それはわたし。どこへ行くの。走って行っちゃった。空を見上げたり考え込んだり。本をひらいてその世界に行ってみたり。いろんなやりたいことはあるし、明日もやってくるけれど、すきなひとってどこにいるの。望遠鏡を覗けば遠くまで見えるけれど見えないもの。夜が明けて朝になっても、冬が終わって春が過ぎても、どこにいるの。冬の空には星がたくさん光っているし、街には多くの笑い声が響いているけれど、もうひとりのわたしはどこにいるの。きっとたくさんの光の中からひとつの星を探している。切ない恋を見つめる絵本。
2023/02/12
ままこ
幻想的な世界で表現される恋待ち時間。難解で読み手の受け取り方も色々だろうな。
2020/07/31
紫 綺
絵本というには哲学で難解。人生終わる頃になって漸く自分を好きなる…という捉え方をしているのだが自信がない。でも絵は優しく美しい♪
2019/06/16
aquamarine
とにかく、嶽まいこさんの絵にはっとします。なんて美しい絵。なんて美しい世界。さらさらっと文を読み進めてしまうと、最後のページで驚きます。私が今読んだのは…。最初に戻って何度も読み返し、読むごとに自分の中に世界が開き、更に明るく色づくのですが、今読んだこの気持ちと、いつかまた読み返したときに私の心に残るものはきっと違うのだと思います。もちろん読み手によっても。大人として桜庭ワールドを堪能しましたが、まだ恋をしたことがない子供たちは、これを難しいと思うでしょうか。でもこの美しい絵をたどって→
2019/06/04
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