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夏の坂道

夏の坂道

夏の坂道

作家
村木嵐
出版社
潮出版社
発売日
2019-03-05
ISBN
9784267021664
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夏の坂道 / 感想・レビュー

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trazom

南原繁先生の評伝小説。私は、かねがね、終戦直後の東大総長が、南原繁、矢内原忠雄と二代続けて敬虔なキリスト者であったことを奇跡だと感じている。南原、矢内原に加え、三谷隆正、森戸辰男、高木八尺など、新渡戸稲造と内村鑑三に影響を受けた人たちの人格的高潔さには、胸が熱くなる。占領軍のお仕着せであった憲法に対し、わが国独自の教育基本法の制定に魂を込めた人たちの執念が、戦後の発展の礎となった。「人生の目的は人格だ」という新渡戸先生の理念を受け継ぎ、真善美と正義を追求した多くの人格者たちの群像が、この本の中にある。

2020/06/27

樋口佳之

https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/about/president/b01_03.html 歴代総長を確認して、東京大学がキャッチフレーズを決めているの知りました。「志ある卓越」うー/お話としては、人となりと時代が良くわかるのですけど、再現ドキュメンタリー番組を見ているような感覚が残りました。

2020/07/01

kawa

主人公・南原繁は戦中~戦後にかけて、東大に在籍した政治哲学者で学長も歴任した方。やや専門的で難解なところもあるが、当時の学会を担った有名学者が目白押し登場で、学会の雰囲気や新憲法制定の事情や周辺が知ることができる興味深い一作。著者は司馬遼太郎氏の秘書の経歴がある、南原の恩師・小野塚喜平次は日露戦に対露強硬策を唱えた帝大七博士の一人として参謀総長・大山巌から「きょうは馬鹿七人がきた」と称された人(本書によれば小野はこの行動を後悔している)、徳富蘆花の話等、司馬氏の「坂の上の雲」の後書きにも紹介されている。

2019/05/29

あまね

袖が触れ合う程の微かなご縁がある南原繁氏の評伝と伺い、読んでみました。南原氏の歩みとともに戦前から戦後の歴史が浮き彫りにされ、作者はかなり力を込めて書かれたのだと推察します。第二次世界大戦では東大も大きく揺れ、苦難と苦悩に苛まれていたのは知りませんでした。教育、戦争、戦後処理、憲法等々、難しいお話が続くので仕方がないとは思いますが、もう少し柔らかなところがあればもっと読みやすかったなぁと思います。それでも、今、私たちが教育を享受できるのは、南原氏をはじめ先人たちの思いに支えられていたのがよく分かりました。

2019/11/28

yhirose254

『ドイツの哲学者フィヒテは、人間の労働は荷を運ばされる家畜のようであってはならないと言った。人は生きるかぎり働くが、眠る前には天を見上げ、心を解き放つゆとりがなくてはならない。(p44)』誰かを儲けさせるために'消費'を続けるべく死ぬまで働かなければならない「一億総活躍」な我々は、なかなか心のゆとりを持つのが難しい。閑話休題、戦前、戦後インテリゲンチャたちの心情を明らかにしてくれる好著に出会えたが、時代の流れに棹さすことが当時と同様に難しい今、インテリにはほど遠い読書子は立ち竦むしかない。

2019/06/27

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