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【文庫】 深く、濃い闇の中に沈んでいる (文芸社文庫 ま 1-1)

【文庫】 深く、濃い闇の中に沈んでいる (文芸社文庫 ま 1-1)

【文庫】 深く、濃い闇の中に沈んでいる (文芸社文庫 ま 1-1)

作家
前川裕
出版社
文芸社
発売日
2016-08-04
ISBN
9784286177588
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「【文庫】 深く、濃い闇の中に沈んでいる (文芸社文庫 ま 1-1)」のおすすめレビュー

最後の伏線回収で“ゾワッ”『クリーピー』作者の原点、鳥肌が立つミステリー

『深く、濃い闇の中に沈んでいる』(前川 裕/文芸社)

 うだるような暑さが続き、夜な夜な“ゾワッ”とくる涼しさを欲する人も増えてくる季節柄。幽霊ももちろん怖いのだが、やはりいちばん怖いのは「人」だと筆者は思う。怨念、恨み、憤り、悲哀、執着…。ある状況に置かれた人物が抱くそのような感情は、かなり危険で、悲しく、恐ろしい。

『深く、濃い闇の中に沈んでいる』(前川 裕/文芸社)というミステリー小説は、まさにそんな恐怖感を得られる1冊だ。後に映画化もされた『クリーピー』(光文社)で第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞している作者の、デビュー前の作品2作を文庫化した本書は、彼のミステリーの原点とも言える。

 本書には、「人生の不運」「人生相談」の2作品が収録されている。どちらも全体的にじめっとしていて暗い、硬質な文体で物語が進んでいく。読んでいるその先の展開を知るのが怖くなり、胸騒ぎが起こるような文章に終始ゾワッとする。

「人生の不運」は、ひとりの女性の死を巡る物語だ。軒を接するように建っているふたつの借家。その片方に住んでいた女性が死んだ。警察は自殺で片…

2018/8/12

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【文庫】 深く、濃い闇の中に沈んでいる (文芸社文庫 ま 1-1) / 感想・レビュー

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夢追人009

初読み作家の前川裕さんの実質のデビュー作で、原題は「人生の不運」の2編のみの作品集です。本書には推理の要素が皆無ですのでミステリーとは言い難く、またエンタメでもありませんので、人間のダークな面と重く厳しい人生模様を描いた文学作品と言えるでしょうね。どちらにも不運な人々が出てきまして読後は相当に辛い気持ちになる事を覚悟して読む必要がありますね。ハッピ―エンドとは真逆のバッドエンドですので、この2つの哀しい物語を参考にして今後の人生を生きる上でこんな風にならぬ様に反面教師にする読み方をすればいいと思いますね。

2022/05/16

momi

あの「クリーピー」の著者の作品で初期の作品らしいです!うぅぅ…微妙。だけど…タイトルどおりのままの作品で伝わってくる暗さや、不快感はかなりのもの!隣人の自殺…ひとりの女性の死を巡る物語と、人生相談に相談を送る男の話!ジメジメと陰鬱な空気に包まれる…。きっと長編ならこの暗さに耐えれなかっただろう…。ちょうど短い短編集でよかった…。

2016/09/20

はつばあば

運・不運って言うのは「あざなえる縄の如し」といいますが、人の死に関わる運不運だけは避けたいものです(◞‸◟)。怖すぎます。この作家さんお初です。隣人の自殺・・とかく人と言うのは口さがない。ジト~っとした湿気をもうすぐ終焉を迎える人生に持ち込まんといて~ってシッシと手で追い払いたいような文章。この本を選んで読みだしたのは私。そして最後まで読ませてもらって愚痴ってる私。二つ目の「人生相談」。貧しかったけど吝嗇とは縁のない結婚後の生活を送らせて貰ったのはやっぱり親のお陰。昭和ってこんなどよんだ時もあったのです

2023/05/28

ピロ麻呂

ずっと暗い雰囲気が続くミステリー。2編ともちょうどいい長さの短編で読みやすかった(^^)

2016/08/13

マサキ@灯れ松明の火

誤解…勘違い…すれ違い…引き起こされる悲劇が2話………暗い…重い…全ては、濃い闇の中へ………

2016/10/08

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