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すみれ屋敷の罪人 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

すみれ屋敷の罪人 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

すみれ屋敷の罪人 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

作家
降田天
出版社
宝島社
発売日
2020-01-09
ISBN
9784299001221
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すみれ屋敷の罪人 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) / 感想・レビュー

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ナルピーチ

古びた洋館の庭から二人の白骨死体が発見された。見つかった白骨死体は一体誰なのか。その洋館に住んでいた主と三人の娘、使用人達の間で過去に何が起きていたのか?1人の青年が関係者達の証言を許に事件の謎を紐解いて行く。そして第二部の【告白】によってその真実が徐々に明らかになる。主人と娘達、使用人たち其々の思いによって隠された真実が悲劇を生む。そこにあったのは各々への愛情かそれとも人情か。本作は哀しみに溢れたミステリー。

2021/02/22

utinopoti27

今や廃墟と化した戦前の名家、旧紫峰邸の敷地から見つかった3柱の白骨遺体。屋敷の当主と3姉妹は、東京大空襲の犠牲になったはず。ではこの遺体の主は?本作は、当時を知るかつての使用人たちへのインタビューを中心とした、回想ミステリの形式で進行する。微妙に食い違うそれぞれの証言。彼らは何を隠そうとしているのか・・。「家」を守る、主人に忠誠を尽くす、互いの気持ちを思いやる。本作で語られるのは、まさに日本人的な精神規範に裏打ちされた悲劇なのだ。緻密に練られた構成と流麗な文章が醸し出すノルスタジックな世界観を堪能した。

2020/07/01

ちょこまーぶる

唸りながら読み進めた一冊でした。過去の名家紫峰邸で発見された白骨死体から、その真相を解き明かしていく話ですが、唸ってしまったのは次々と明かされる事実に戦前から続き戦時に翻弄される名家の凋落って現実が全国の至る所に存在していたのだろうと思うと悲しい思いで一杯になってしまったんですよね。そして、真相が明かされる過程に付き合っていくにしたがってある意味名家という肩ぐるしく狭い世界での人間関係や身近な人達をもだまし続けていく人生って辛いしつまらない人生なんじゃないかなぁ~とも思ってしまいました。

2022/12/09

❁かな❁

降田天さんの作品を読むのはまだ2作目。戦前の名家、旧紫峰邸の敷地内で2つの白骨化死体が発見された。白骨化死体はいったい誰の死体なのか。かつての関係者にその当時の出来事を聞きながら少しずつ見えてくる。それぞれの証言で二転三転していくのが面白い。思っていたのと違う真実に驚き、真実が切なくて…。ラストの方はじーんとしました。タイトルの『すみれ屋敷の罪人』に納得。「殺人」とかではなく「罪人」。すみれの花で彩られた館に暮らしていた一族の物語。雰囲気も良く儚く美しかった。降田天さんの他の作品も読みたい。

2021/06/08

オーウェン

富豪だった旧紫峰邸から出た白骨死体。その所在を巡って県警の西ノ森が残った人間から証言を集めていく。するとそこに隠された秘密が。証言と告白という2章で成り立っており、証言では紫峰邸の人間関係から、各人の特徴を語る経緯で進む。自殺であったり焼失であったり、家族間での何かしらの秘密があるのは分かるのだが、その種明かしは家族ならではのもの。 置き換えるのであれば愛ゆえに。 ミステリでこういう着地点は珍しいかもしれないが、しっかりと伏線は敷かれているし、戦時中だからこそという設定も意味がしっかりとあった。

2022/01/14

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