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33年後のなんとなく、クリスタル

33年後のなんとなく、クリスタル

33年後のなんとなく、クリスタル

作家
田中康夫
出版社
河出書房新社
発売日
2014-11-26
ISBN
9784309023342
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33年後のなんとなく、クリスタル / 感想・レビュー

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遥かなる想い

1980年にベストセラーと なった『なんとなく、クリスタル』の、その後の 33年間を描いた本とでも言うべきなのだろうか。 今を起点に、あの時代を そしてその後の日々を 描くという形がなぜか 懐かしさを誘う。 生きてきた日々を噛み締める ような感覚が甦る。 ヒロイン由利の33年後が よい歳をとった感じで 気持ちよい。やや過去に 遡りたがるヤスオと、 33年後の女性たちの前を 見つめる姿勢の違いは、 男と女の違いなのかもしれない…時代の寵児として生きざるを得なかった 著者の内面が感じられる、そんな本だった。

2015/03/01

タックン

クリスタル族って流行語で一世を風靡した作品の33年後を描いた作品。自伝的小説ってよくあるけど、ここまで公私混同した小説は読んだことないなあ・・・・それを混在させてるからどこまでが現実でどこが創作かがわからなくて読みにくい。まるで日記みたいだ。だいたい現実の妻を登場させておいて昔の彼女(女友達)とデートしたり、一緒に会うなんて考えられない。過去の栄光につかまり自分の主張や知識をひけらかしてて鼻についた。ただ作品に登場するヒロインの由利だけはその生き方に好感が持てたから完全な創作で描いてほしかった。

2015/04/15

いたろう

ブランドで固められた80年の前作から現在へ。バブルの絶頂まで上り詰めた日本の繁栄期の出発点とも言えるあの時代から、バブルの崩壊、失われた20年、二つの震災、と坂道を転がり落ちてきた日本。80年当時、自信に満ちた日本人に対して、前作のラストで唐突に示された出生率データの意味するものが日本の将来の暗雲だったのだとしたら、前作は、30数年後の疲弊した日本から振り返って見ることを予見して、必要以上に浮かれて見せた小説だったのではと驚きを禁じ得ない。様々な歴史を封じ込めて、33年経って結晶化した水晶は無色ではない。

2015/08/14

starbro

一世代上なので同時代性は感じられませんが、バブル前夜の時代に一世風靡した流行作家が33年後をどう描くか興味があったので手に取りました。何故この作品を書いたのかわかりませんが、現代では極めてチープでお寒い内容で、今の所私の今年のワースト1です。もしかしたら年間通じたワースト1かも知れません。例えて言えば二十歳前後のアイドルが数十年間のブランクを経て、見る影もなくTVに登場する感じです。作者が言うところの「ありゃまぁ」がピッタリです。

2015/02/13

きつねこ

なんクリって、昔確かに読んだけど、中身はさっぱり残ってない。映画もみたなあ。(でも何故かサントラは好きで思い入れ深く数年前やっとみつけCDに落としたよ。AOR?って種類のやつね。)。中身は色々だけど時間の円盤をグリグリ廻して昔のあの場面に戻るっての、結構共感する。しかし、改めて思うと画期的な小説だったなあ。今思えば、限りなく透明に近いブルーから、時代と意識を大きく変えたってイメージあるな。33年後も注釈の羅列、面白かったわ。わくわくはしないけど。

2015/06/13

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