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報われない人間は永遠に報われない

報われない人間は永遠に報われない

報われない人間は永遠に報われない

作家
李龍徳
出版社
河出書房新社
発売日
2016-06-20
ISBN
9784309024745
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報われない人間は永遠に報われない / 感想・レビュー

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あも

あぁ、なんて苛々するんだ。コールセンターで働く、ごく普通の大多数の没個性の他人とは違うなんて思いさえありがちな屑が同僚に煽られて堅物女上司を口説いたら、彼女の自己卑下と厭世観の負のスパイラルに巻き込まれ、既に終わってる2人が終わった先で安住の場所を見つけたように錯覚して依存して、結局無理でこれ以上のない底の底へ行く。転落は劇的でも波瀾万丈でもない。だってお前ら主人公じゃないんだもの。底辺であることをアイデンティティにする者に世界はドラマを用意してくれはしない。ただ緩やかに朽ちて果てろ。言うことはそれだけ。

2019/08/19

メタボン

☆☆☆☆★ 暗い。徹底的に暗い。でも強く惹き込まれる。悪意のある内面描写や攻撃的な台詞が多い。特に映子とその母洋子の会話は凄まじく暴力的。そしてそれはある意味真実。この作家にはこれからも注目していきたい。

2017/02/20

おかだ

逃れ難い黒い暗い吸引力。それほど凄い事を描いた作品ではない。他愛のない、その辺によく転がっているくだらない出会いと、くだらない別れの話だ。ただのこの作品の凄まじい所は、そんな彼ら、否、彼の事をタイトルで「報われない人間は永遠に報われない」と思いきりバッサリ切り捨てている所だ。読了後に、このタイトルを呟いてみて欲しい。しっくり胸に落ち着くから。映子さんの自覚のないこじらせ方が非常にリアル。でも近藤の自覚のないクズっぷりもリアル。こういう人間は本当にいる。そしてもう一度言う。報われない人間は永遠に報われない。

2018/03/12

ちょき

主人公は僕ではないが、いつしかの僕であった。俯瞰的に現実を眺め、選択を誤り、多くを失う。思い出すあの頃ー。小説を通してついつい自分を見つめ直してしまう小説。痛い。

2016/06/21

まふぃー

この凶暴な世界に私たち二人きりね――。自意識ばかり肥大した男と、自己卑下に取り憑かれた女の、世界で一番いびつで無残な愛。 自己卑下と自意識の肥大。嫌な男女ですねぇ〜読んでてイライラしたけど正直自分もあるよなぁと認めざるおえない部分もしばしば‥淡々とした文章が自分には合わなかったし人にお勧めできる本ではない😳タイトル通り「報われない」

2021/05/03

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