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世界一ありふれた答え

世界一ありふれた答え

世界一ありふれた答え

作家
谷川直子
出版社
河出書房新社
発売日
2016-10-14
ISBN
9784309025094
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世界一ありふれた答え / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

いいなぁ、谷川さんの作品。還暦間近の男女のピュアな恋愛を綴った『あなたが〜』を読んで、久しぶりに'コレは?!'と思える作家さんに出会った感覚でしたが、やはり期待を裏切らず、本作でもしっかりと素晴らしい読書時間を過ごさせてくれました。市議の妻でありながら、離婚するコトになりうつ病を発症した「まゆこ」と難病からピアノが弾けなくなり、同じくうつ病を発症したピアニスト「トキオ」の不思議な交流を描きます。正直、後半にさしかかるまではビミョーな雰囲気の作品でしたが、後半にある親子が登場してからの一転具合が痛快でした。

2021/04/10

ゆにこ

離婚して鬱になってしまった女性が主人公。彼女が立ち直るまでは読むのが辛かったが、終盤はほっとして嬉しくて涙が出た。励まされ心に響く、ずっと忘れないでいようと思う文章が多かった。

2016/11/03

Ikutan

全力を尽くして市議会議員の夫を支援してきたのに、離婚されウツ病になったまゆこ。ピアノが弾けないジストニアに罹り、絶望するピアニストのトキオ。共依存の関係に陥る二人。カウンセラーに指摘された、承認欲求や報酬欲求、愛情依存みたいなものって誰にでもあるし、そんなの理屈だけと思う。だから、後半、カノンやセリナの存在の方が救いになったのは納得です。もちろん、彼女自身が今の自分を肯定出来るまでの思考は大切だったと思うけど。人間、無駄な経験など一つもないはず。そして、やっぱり、音楽の力は大きいと再認識しました。

2016/12/27

おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…

78/100点 鬱病になってしまった政治家の元妻とピアノが弾けなくなったピアニストが、回復の兆しを見つけるまでの物語。途中カウンセリングの様子などは興味深く読むことが出来ましたが、自意識の強い主人公の二人がどうも好きになれませんでした。ただ、主人公たちが自分が特別な存在であるのではなく、取るに足らない存在であると認識することが病を治す答えだと、いうことを見い出せて良かったと思いました。

2017/01/31

いたろう

前作「四月は少しつめたくて」の詩が書けなくなった詩人に続いて、本作に出てくるのは、ピアノが弾けなくなったピアニスト。夫に離婚され、喪失感から、うつ病になった「私」(=まゆこ)と、やはりうつ病と診断されたピアニスト、トキオ。まゆこがトキオの部屋で習うドビュッシーのアラベスク。二人の間にあるのは、同病相憐れむ感情でも、恋愛感情でもなく、「安心感」なのか。著者は、「おしかくさま」「断貧サロン」のような風変わりな話を書く作家と思っていたが、前作に続く、どん底に落ちた人間の心の再生の物語が、ストレートに心に響く。

2017/04/01

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