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平家物語 犬王の巻

平家物語 犬王の巻

平家物語 犬王の巻

作家
古川日出男
出版社
河出書房新社
発売日
2017-05-26
ISBN
9784309025445
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『平家物語 犬王の巻』(古川日出男/河出書房新社)

 古川日出男の小説『平家物語 犬王の巻』が、映像監督・湯浅政明によって映画化されることが明らかに。キャラクター原案を漫画『ピンポン』の松本大洋、脚本をドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の野木亜紀子が手がけるとあって、「スタッフ陣が豪華すぎる」と話題になっている。

 原作となる小説は、古川が2017年に発表した小説。室町時代を舞台に、世阿弥と人気を二分したといわれている能楽師・犬王の実話をもとにした物語だ。世阿弥と同じように足利義満から高く評価されていた犬王だったが、その作品は一切現存していない。小説には、究極の美を求めた犬王の反省が描かれている。

 同作を読んだ読者からは、「歌うような文章に惹かれて一気に読んでしまった」「能楽がヒップホップのような熱量で語られていて面白い」「古川さんの文体と平家物語がこんなに相性抜群だなんて驚き」と絶賛の声が続出。古川は『平家物語』本編の現代語訳を手がけていることもあって、「古川さんのおかげで古典文学に興味を持つようになった」「セットで読むとより深く楽しめる」といっ…

2019/6/22

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あの『平家物語』に「続き」があるなら……。能役者の「犬王」が新たなる『平家物語』を語り出す!

『平家物語 犬王の巻』(古川日出夫/河出書房新社) 2016年の12月に発売され、話題を呼んだ『平家物語』(古川日出男:訳/河出書房新社)はもう読まれただろうか? こちらは、「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」の内の一つで、従来の「『平家物語』訳本」に比べはるかに読みやすく、エンターテインメント性にあふれた一冊である(熱く語った記事はこちら)。

そして2017年の5月。『平家物語』の「続き」とも言える作品が発売された。『平家物語 犬王の巻』(古川日出夫/河出書房新社)だ。こちらは古川日出夫氏が書き下ろした≪小説≫である。

舞台は室町時代初期。主人公は2人。琵琶の演奏者である琵琶法師の友魚(ともな)と、猿楽(能)の役者、犬王。

友魚は壇ノ浦に住む漁夫の少年で、ある時、都から来た人間に命じられ、「海中にある遺物」を海底から引き揚げた。それは「剣」で、鞘から抜き放つと閃光が走り、共にいた父親は頓死し、友魚は失明してしまう。この「剣」は、平安時代の末期、平家によって失われた神器の一つ「草薙の剣」だった。

両目の光を奪われたこと。そして偶然にも「平家」とつながり…

2017/6/30

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平家物語 犬王の巻 / 感想・レビュー

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chimako

母の腹の中で父親に生け贄にされた赤子。赤子の美しさも清らかさも全てを奪われ、穢れと汚れをまとい生まれた子。名も与えられず、顔を覗かれることもなく、ましてや抱かれることも乳を含ませてもらうこともなく育つ穢い子。それでも殺すことは許されず、自分の力で生き延びる汚れた子。やがて自分で自分の名を決める。犬王。……ある日父と檀ノ浦に潜り、秘中の剣を拾い上げ、その剣に光を奪われた男児。盲て琵琶を奏でる者となる。その名を友魚。目の見えぬ友魚と異形の犬王は生涯の朋となる。これは二人が駆け抜けた物語。張りつめた物語。

2021/09/18

ひらちゃん

平家物語は学生の頃、吉川英治訳で読んだきり。古川さんの訳を読んでからのがこちらはよかったのかも。エンターテイメント煽るる犬王(猿楽)と友魚(琵琶法師)の物語。犬王は実在して世阿弥と人気を二分してたそうな。ここに出てくる犬王は数奇な運命に翻弄されつつ力強く生き抜いている。終始、能を見ている様な錯覚の異な文章に惹き込まれた。

2017/07/21

shikashika555

映画が今ひとつしっくり来なかったのでこちらの方がわかりやすいかと読んでみた。映画では曖昧にしか説明されていない箇所の答え合わせができたかな。 とてもスピード感のある運びで 所々走るような感じがした。これは活字より口承文芸の方がよりピッタリ来るのではないだろうか。 そして欲を言えば、関西の言葉に置き換えてみたら 標準語ではこぼれてしまっている質感も拾えそうだな、などと思う。 本当に勝手な感想で恐縮ですが。

2022/07/10

路地

もう1人の主人公とも言うべき琵琶法師の語りを思わせるリズミカルで疾走感溢れる文体。それでいて、時代背景や夢幻能の成り立ちがしっかり書き込まれているので、知的好奇心も満たされる楽しい作品だった。久しぶりに能を観に行きたくなる。

2023/04/13

シロナガス西瓜

アニメ映画が面白かったので衝動買い。新奇の平家物語を紡ぐ能役者「犬王」と彼の物語を唄う「友魚」の、歴史では語られない友情の物語。歴史物とは思えないほど軽く疾走感ある文章は、音楽を聴くようにスルリと入ってきて爽快。映画はこんな小難しいもの観る人いるのか?と思っていたので勝手に対比してるけど、そこも面白ポイント。これ原作を先に読んでた人は、映画観たらかーなり印象違うんじゃなかろうか。あんなロックになると思わんでしょ(笑) 原作読んで色々腑に落ちた事もあり、また映画を観たくなった。映画も本もオススメです。是非。

2022/08/17

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