片づけたい: 暮らしの文藝
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内田百閒、川上未映子、谷崎潤一郎、夢野久作…。「片付け」にまつわる32のエッセイ
『片づけたい』(河出書房新社)
片付けという行為に、人生観を感じてしまうのは私だけだろうか。とくに自宅、そこにはその人らしさが滲み出ているように感じる。片付けによって完成されるものは、その人の理想とする「生」なのではないだろうか。
世の中にはありとあらゆる「片づけ本」が存在する。近頃は、「ていねいな暮らし」が主流だ。モノを持たない暮らし。一汁一菜のていねいな食事。そういった風潮は、一時代前の「清貧」に通じるものがあるように感じる。
私も人並みには片付け本を参考にし、生活を見つめ直すといった行動を取るのだが、たまに、それを窮屈に感じることがある。一言でいうと、どれも、良くも悪くもちょっと極端。ライフスタイルはまさに十人十色で、こう、もっと「その人」が滲み出ている方が落ち着くようにも感じるからだ。
そんなことを感じていた私が出会った1冊の「片付け本」を本日はご紹介したい。『片づけたい』(河出書房新社)だ。先に断っておくと、これはシンクの磨き方とか、断捨離のテクニックとか、そんな知識をメインに扱った一般的な「片付け本」とは違う。なにしろエッセイ集なの…
2018/4/1
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片づけたい: 暮らしの文藝 / 感想・レビュー
momogaga
再読。前回は文豪の谷崎潤一郎さんのエッセイに苦戦したんですが今回はスッと頭に入ってきました。次回は、内田百閒さんのお話が腹に落ちればいいな。
2021/03/04
あじ
“片づけたい”エッセイのアンソロジー。著名な書き手のそれらしい内容を並べてあるだけで、味わいもオチも私には物足りず。すっきり記憶から片付いてしまうエッセイばかり。そんな中で気にいったのは東海林さだおさん。ロボット掃除機ルンバを部下に見立てた、ねちねち具合があるあるです。そして向田邦子さんの色褪せない風景。★3/5
2017/07/27
ぶんこ
こちらを読んだからといって、片付け熱が湧き上がる訳ではありませんでした。既に故人となられた方々も多く、片付けと関係あるのかなと思えるエッセイもあり。出久根さんの生ごみ処理機を作動させると焼き芋の匂いがするとは面白い。沢村貞子さんの、町内で一斉に大掃除をして、お年寄りの家にはご近所の元気な人が自発的にお手伝いに行くというのが素晴らしい。有元葉子さんの「掃除と片付けは別物」に共感。片付け苦手の家族が、表題を見て読みたいと言ってましたが、何の役にも立たずに直ぐに読むのをやめてました。
2017/09/22
momogaga
少しは期待していたのですが、一部実用書で、大方は文芸書だった。巻頭のジェーン・スーは正論、川上未映子はバカバカしい話だけど、その観察力に共感できた。後半は、文豪の谷崎潤一郎はスノッブすぎて理解ができませんでした。文芸書としては良本です。
2018/06/10
Kei
有吉玉青さんのエッセイが珠玉。母、有吉佐和子さんの蔵書全てを県に寄贈なさっています。心に母がストンとはいると、物はいらなくなる、というまでの軌跡が、人には必要。 物は、物そのものだけではなく、そこにまつわる何かがその人にとって消化されないと、処分できない。片づけたい、は、ある種、心のケリの付け方です。
2017/12/17
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- 2023-06-26
- ISBN
- 9784813804383