夜会 (吸血鬼作品集)
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夜会 (吸血鬼作品集) / 感想・レビュー
めがねまる
同一作家の吸血鬼ものばかり集めた短編集、と聞いて手を出さずにはいられなかった。ストレートに血を吸うタイプのみではなく、これは吸血鬼かな?と思うものもいる。その中でも、血を一滴も吸わず、吸血鬼という単語も出てこない「パラソル」が一番気に入った。吸血鬼に関する知識がこれでもかと繰り広げられる「闖入者」も、吸血鬼ならではの約束事が守られてて嬉しいし、吸血鬼好きにとっては勉強になる。「噴水」は設定が面白くて、長編でもっと読みたいくらいだった。すがすがしいラストの「碧い夜が明けるまで」も好き。読んで良かった大満足。
2017/09/10
やんも
井上「伯爵」のイメージと言えば、映画と吸血鬼、そして<異形>。本書にもそれぞれを盛り込んだ作品が収められており、伯爵らしい1冊になっている。少々衒学と感傷にすぎるところもあり、読み手もそこまで心を寄り添わせることが求められるだろうと思われる。そこを踏まえると、伯爵の観る深紅の夢を共有できるのだけれど、それには知識を広げる必要もある。気になった語句や名前があったならば、ネットでの検索や、関連書籍に目を通すことをおすすめする。それが夜会に参加するためのドレスコードの様なものである。
2017/08/14
leo
もっとスタンダードなイメージの吸血鬼を想像してたので「亜種」や「親族」のオンパレードに驚いた。全体的にやや吸血鬼蘊蓄臭い感じが拭えないのだけど…それらを新知識として識ることは面白かったのだけど。フルーツ蝙蝠が出てくる話が面白かった。
2022/12/22
mizuha
予想以上にスタイリッシュ。吸血鬼の括りが無ければ、そうとは気づかないだろうと思う物があるくらい、バリエーションに富んでいて楽しい。「闖入者」などは、とても興味深く読んだ。
2017/10/26
5〇5
~「夜会」の血づくし~ 吸血鬼作品集だ。この血族に魅了された著者は、血気盛んに血眼になって資料を漁り、血道を上げて研究し、心血を注いで書き上げたのだろう。その熱血ぶりが伝わってくる。全18篇の一気読みは、吸血モノだけに貧血気味になる。
2021/08/02
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