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ぼくは本当にいるのさ

ぼくは本当にいるのさ

ぼくは本当にいるのさ

作家
少年アヤ
出版社
河出書房新社
発売日
2018-09-21
ISBN
9784309027272
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「ぼくは本当にいるのさ」のおすすめレビュー

セーラームーン、マイリトルポニー…ときめく心を捨てた「ぼく」が“生”を取り戻すまで

『ぼくは本当にいるのさ』(少年アヤ/河出書房新社)

 誰でも、心の中になにか「宝物」を持っているのではないだろうか。幼い日に出会ってから生涯自分を支えてくれるようなもの。初めて友達になったぬいぐるみ、打ち込んできたスポーツ、初恋のあの人。けれど、大好きなものを好きでいるだけで切ない思いをしてきた人がいる。

 その切なさと喪失、そして再生を描いたのが『ぼくは本当にいるのさ』(少年アヤ/河出書房新社)だ。著者は、故雨宮まみ氏や能町みね子氏らとも親交が深い注目のエッセイストであり、本書は著者がすべてを捨て骨董品屋で働いていた日々のことを描いた「ものがたり、のようなエッセイ、のような」本だ。

 主人公の「ぼく」にとっての宝物は「きらめくものを愛する気持ち」だった。セーラームーンの「まぼろしの銀水晶のペンダント」、マイリトルポニーのフィギュア、ボタンノーズの「いちごの夢のおうち」。どれも素敵なものばかりなのに、「ぼく」がそれらにときめいてはダメみたいだ。男の子に生まれたという、たったそれだけで。

 傷つくことに疲れきった「ぼく」は、感情もすべて捨て去った「透明…

2018/11/25

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ぼくは本当にいるのさ / 感想・レビュー

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ひとみ

webで連載されていた少年アヤちゃんの私小説。透明にならなければならないという思いから集め続けてきた可愛いおもちゃを手放そうとしていた青年は、それがきっかけで骨董品屋でアルバイトを始める。夢を抱いてアルバイトをする同僚との間の距離を埋められず 、大切なコレクションを二束三文でフリマで売り払う。この世から居なくなろうとするかのような彼を引き止めたのは、古着屋で出会ったパワーパフガールズのブロッサムのぬいぐるみだった。複雑な心情をナイーブ且つ時にユーモラスに語る、変わらず高い筆力に圧倒される。

2019/03/19

soucute

ラジオで花田菜々子さんがオススメしてた1冊。透明になりたい26歳の男の子の話。親友と素直に生きる難しさと向き合いながら乗り越えていく姿がとてもよかった!

2018/12/27

mi

少年アヤさんずっと読んでみたくて初めて読んだけど、ここまで惹き込まれるとは思わなかった。 「ふるびたものや、いらなくなったもののなかで見る子どもたちは、身体じゅうふわふわした産毛に守られてぴかぴかしていて、歴史が積み重なっていまがありますとか、血を受け継いで子どもがいますとか、ぜんぶうそみたい。ぜんぶどうでもいいみたい。」 エッセイをかくって、解釈を与えながら日々を生きるって簡単にできることじゃないよなあ、ってことを考えた。

2021/03/08

しおり

少年アヤちゃんの文章が、感性が大好きだ。仕事の休憩中だけど、涙が堪え切れなかった。ここが家だったら、本を抱きしめて、ありがとうっていってた。

2019/10/10

ゆ□

なんだか良かった。

2022/09/19

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