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さよならの儀式

さよならの儀式

さよならの儀式

作家
宮部みゆき
出版社
河出書房新社
発売日
2019-07-10
ISBN
9784309028071
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「さよならの儀式」のおすすめレビュー

BOOK OF THE YEAR 2020投票スタート! まずは2019年小説部門を振り返る!半沢直樹じゃない、もうひとつの池井戸潤作品

『ノーサイド・ゲーム』(池井戸潤/ダイヤモンド社)

『ダ・ヴィンチ』の年末恒例大特集「BOOK OF THE YEAR」。今年の投票期間がいよいよスタート! ぜひあなたの「今年、いちばん良かった本」を決めて投票してみてほしい。  ここで改めて2019年にどんな本がランクインしたのか振り返ってみることにしよう。

 2019年の首位に輝いたのは池井戸潤の『ノーサイド・ゲーム』。左遷されたエリート社員が、成績が低迷するラグビー部の改革に乗り出す物語が、働く大人の圧倒的な支持を得た。大泉洋主演でのドラマ化や、ラグビーW杯で日本代表がベスト8入りを果たした快挙も追い風となったが、やはり決め手は作家と作品の質への信頼感。「池井戸潤は裏切らない」、そんな熱い声が2018年から2年連続の首位に押し上げた。

『小説 天気の子』(新海誠/KADOKAWA)

 2位は新海誠の『小説 天気の子』。観客動員1000万人超を記録したヒット作を、監督自らがノベライズ。映像では表現しきれなかった心理描写を盛り込むことで、鑑賞後の補完テキストとして若年層の心を掴んだ。

『沈黙のパレー…

2020/9/4

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宮部みゆき、初の本格SF作品集。ロボットに感情移入する人間、虐待を防ぐための「マザー法」…。切なくも温かい世界観

『さよならの儀式』(宮部みゆき/河出書房新社)

 日常の中でぞっとするような違和感や、理不尽な事件に遭遇した時、中立的な視点で状況を見極め、解決へと導いていくのは中々難しい。世の中は白か黒かで割り切れることばかりではないし、自分にとっての正義は、他の誰かにとっての悪である…なんてことは珍しくもないだろう。だがやはり、我々は出来る限りの想像力や洞察力を働かせ、困難な問題に立ち向かっていかねばならないのだと、宮部みゆきさんの初のSF作品集『さよならの儀式』(河出書房新社)を読んで強く感じた。

 本書は、8編のSF作品が収録されている作品集。登場するのは、一人暮らしの孤独な老人や、40代の独身OLなど、私たちの日常にいるような、何の変哲もない人々ばかり。しかし、読み進めると、描かれている舞台は現代ではなく、ロボットが活躍したり、タイムスリップに遭遇したりする近未来であることが判明する。

 例えば、表題作の「さよならの儀式」は、老朽化したロボットの処分手続きに来た若い娘に苛立ちを隠せない技師の心理が描かれている。汎用作業ロボットの働きに支えられている社会が舞…

2019/11/16

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さよならの儀式 / 感想・レビュー

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starbro

宮部 みゆきは、永年に渡って新作をコンスタントに読んでいる作家です。期待して読みましたが、SFテイストのせいか、寄せ集めのせいか解りませんが、やや残念な作品集でした。オススメは、『母の法律』&『保安官の明日』です。

2019/08/10

ウッディ

虐待された子供を救うマザー法がある世界を描いた「母の法律」、旧式ロボットとの別れを描いた「さよならの儀式」などSF短編集。次々と繰り出される新しい世界に、すんなりと読者を惹き込んでいく文章力は、さすがと思ったが、オチの部分が弱い感じがして、正直、あまり面白くはなかった。ただ、女子高生だった過去の自分が、冴えない今の自分の前に現れる「わたしとワタシ」は、ユーモラスな雰囲気で、長編にしても良かったと思える設定だった。もし、高校生の自分が今の自分に会うと、どんな風に思うのか、そんな空想をしながらの読書でした。

2020/07/11

うっちー

SF宮部みゆき、私は意外と好きです

2019/07/25

ひさか

河出文庫2010年7月:聖痕、2012年1月:保安官の明日、2014年10月:戦闘員、2015年10月:海神の裔、2018年12月:母の法律、角川書店2013年2月SFJACK:さよならの儀式、講談社ヴィジョンズ2016年10月:星に願いを、小説すばる2018年4月号:わたしとワタシ、の8つの短編を2019年7月河出書房新社から刊SF。宮部さん初のSF短編集なんだそうです。既読7編ですが、並べて読むと感じるところが異なりました。最も楽しめたのは、わたしとワタシ、でさすが宮部さん、アイデアがしゃれています。

2020/07/26

fukumasagami

産みの親から虐待をうけた子供たちの復帰と歪みを描いた「母の法律」、日常の隙間から迫る侵略に立ち向かう「戦闘員」、バブル以降の日本衰退が裏テーマ(?)の「わたしとワタシ」など、2010年から18年に書かれた8篇のSF・ホラー短編集。日本版トワイライトゾーンの趣。

2020/08/14

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