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私たちの望むものは

私たちの望むものは

私たちの望むものは

作家
小手鞠るい
出版社
河出書房新社
発売日
2020-03-16
ISBN
9784309028668
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私たちの望むものは / 感想・レビュー

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モルク

NYで亡くなった叔母千波瑠の遺骨を受け取り遺品の整理をするために夏彦は千波瑠のアパートを訪れる。憧れていた美しい叔母。遺品整理をしながら思い出に浸り、そして千波瑠の不倫という報われない愛ではあるがその熱量に圧倒される。村上春樹の本、取ってのとれたマグ、白いピエロの絵…好きなものに囲まれて千波瑠は幸せだったのかな。妻子ある男を愛し10年、NYに渡ってもその愛は続く。「あと10年待ってくれ」という男の言葉。10年の根拠って何?それがあと1年となったことも男は気づかない。まあそんなものさ!

2020/06/27

あすなろ

個人的にJAZZの世界が似合うと思っているほろ苦い小手毬氏の作品。10年前に亡くなった少し歳上の叔母を想う作品。日曜の早朝の暗がりから明け方までに読了。休日の朝にJAZZと珈琲を本作と共に嗜み、主人公の永遠の手が届かぬ想い人を共に心をシンクロさせて偲ぶ世界に揺蕩う感覚は正に読書の秋という感じで良かった。そして、小手毬氏のこの手の作品はやはり大人の味でビターですね。

2020/10/11

ゆみねこ

ニューヨークで一人暮らしをしていた叔母が亡くなり、その遺品の片付けに赴いた夏彦。美しく憧れの存在であった叔母の秘められた恋と来し方。残念ながら私の好みとは合わなかった1冊。

2020/05/27

Ikutan

ずっと思いを寄せてきた八つ年上の叔母が亡くなった。14年間、彼女が暮らしたニューヨークにやって来た夏彦。遺品整理をしながら、叔母への思いを募らせる。一方、間に挟まれる彼女の残した文章からは、妻子ある男性に一途な恋心を貫いた姿が浮かび上がる。遺品整理かぁ。それも、憧れの人のものとなると揺れ動くよなぁ。夏彦の気持ちが何とも切なく。一方、情熱的で自由で真っ直ぐな叔母に、清々しさを感じたり。白いピエロの絵。取っ手の取れたマグカップ。小さな鍵。小手鞠さん7年ぶりの恋愛小説は、愛しい物たちに彩られた美しい物語でした。

2020/05/30

ひらちゃん

憧れと恋愛感情を抱いていた叔母の遺品を整理しながら思いをはせる夏彦。叔母は妻子ある男性との愛の末に渡米した千波留。好きな人の遺品なんてどうしたらいいかわからなくなりそう。主のいなくなった部屋からも、人生が見えてくるようだし。本当に望むものは確かに幻なのかもしれないな。少しだけ違和感を感じたのは関西弁の恋人かな。彼女の情熱と違う世界にいたように思うのだけれど。

2020/06/04

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