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だいちょうことばめぐり

だいちょうことばめぐり

だいちょうことばめぐり

作家
朝吹真理子
花代
出版社
河出書房新社
発売日
2021-01-27
ISBN
9784309028736
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だいちょうことばめぐり / 感想・レビュー

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アキ

2015年から3年間「銀座百点」というタウン誌に連載したエッセイ。歌舞伎の演目について書く依頼が、演目が一行出てくればどんな内容でもよくなり、小さい頃の思い出や好きな夫とのあれこれ、好きな本や詩のことなど、さらりと読みやすい。著者の文章が好きで、エッセイを読むとより身近に感じられる。お手伝いさんの思い出や高祖父が新歌舞伎座の役だったり育ちの良さがわかる。13歳までのサマースクールの思い出「ジムノペディ」と大分県国東半島の哲学者三浦梅園「梅が咲いていました」、煙のあるものに惹かれる「湯気と点心」がよかった。

2021/03/15

Kei

思春期の頃に大好きだったサガン。の、翻訳者、朝吹登水子さん。敬愛していて、サルトルとボーヴォワールも、彼女の著作から。ライフスタイルも素敵でした。で、朝吹真理子さん、てっきりお嬢さんだとばかり。芥川賞受賞から、そのつもりで、ずっと読んでました。雰囲気がお母様譲り~、って。思い込みは恐ろしいですが。そう的、外れてはいません。どこか独特の浮遊した感じ。時代が違うので、浮世離れした優雅さは望むべくありませんが。だいちょう、歌舞伎の演目になぞらえた銀座話し。花代さんの素敵な写真とともに。

2021/04/24

kum

朝吹さん初読み。『銀座百点』というフリーペーパーに連載されたエッセイ。日々のあれこれが情緒ある文体で綴られていて、読み初めははもっと年配の方かと思っていたら、これを執筆した当時はまだ20代後半だったと知ってびっくり。全体的に落ち着いた品の良さが漂いながら、途中からはカラオケで羽目を外した女子高生時代の話なども出てくる。老成した感じと普通っぽさの混在、そして独特な感性で書かれた文章を堪能できたけれど、大好きな友人に母乳を直接吸わせてもらったという話だけはちょっとナンとも。

2021/02/19

ハルト

読了:◎ 一編一編が小説のようなエッセイ集。上品な暮らしをしているなあと思う。自分のいる世界とは違う世界を垣間見れて、おもしろい。歌舞伎に造形が深いようで、歌舞伎の話に観てみたくなった。

2021/03/15

等身大の作者を見ていたい人には良いかもしれない。ちびまる子ちゃん的語りがずらり。これはこれで。とはいえ、歌舞伎を見る中で「もういない死者に近づきたい」等、時々垣間見せるこの人ならではの凄みはファンの期待を裏切らないのかも。ただ『抽斗のなかの海』のほうがエッセイとしては作品世界の像を考察するのに役立っている。ちなみに、緊急事態宣言中にエルメスのラジオで話していた内容を掲載してほしいな、なんて思ったりして。あれはよかったです。

2021/08/12

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