赤江瀑の世界: 花の呪縛を修羅と舞い
赤江瀑の世界: 花の呪縛を修羅と舞い / 感想・レビュー
HANA
赤江瀑による小説や随筆、同業者や関係者の思い出や影響、そして作品ガイドとまさに赤江瀑の世界を紹介する手引書に相応しい出来となっている。赤江瀑は最初に「海贄考」を読んで仰天し、その後『海峡──この水の無明の真秀ろば』を読んで以来後を追っているのだが、こういう形でガイドされるとどれも読みたくなり堪らなくなる。ほぼ絶版なのが惜しまれるなあ。特に収録されている二作品「花曝れ首」と「破片B 阿片のように匂やかに」は著者の世界観が端的に示されているので、今から著者の世界に触れる人は是非読んでもらいたいと思った。
2020/11/24
冬薔薇
久しぶりの赤江瀑の世界、ここから幻想と妖美、皆川、山尾他の作家に広がっていった読書。当時一度はまったら次々と本を探したものだった。ブックオフからネットの古書店、魅入られ買っていた。浅井仁志氏のページはいろいろ知ることができて良かった。ベストは決められないが、「花曝れ首」は特別、いつ読んでも何回読んでも名作。
2020/08/07
うさぎや
ガイドとしてとてもわかりやすい1冊。これを読んで氏の作品に大変興味が湧いたのだが、2020年現在、大半の本が絶版というのは残念すぎる……。
2020/07/29
三谷銀屋
赤江瀑の短編、随筆、「長谷川敬」名義の詩と、赤江瀑と親交のあった人々の論考や作品評など。私は十代の頃に「猟奇文学館」に掲載されていた「女形の橋」に強烈な衝撃を受け、赤江作品を何作か読んだ記憶がある。赤江瀑に憧れた作家達の対談やエッセイを読むと十代の時に赤江瀑の妖美の世界に傾倒したという人も多かった。やはり、自分が何者か分からずに惑う思春期にこそ、赤江瀑の描く怪しく絢爛な世界に感応しやすいのかもしれない。短編小説「花曝れ首」を読み、哀しく苦しく怖く美しいこの世界観は、やはり唯一無二の世界なのだと納得した。
2020/07/23
さくは
小説「花曝れ首」、随筆「破片B 阿片のように匂やかに」などの傑作選、長谷川敬名義の詩、恩田陸・近藤史恵・山尾悠子らによる寄稿、千街晶之・東雅夫らによる作品ガイド、作品リストなど。京都、寺、海峡、水、刀剣、男性、歌舞伎……、幻想的で妖美な作品世界と山口県下関に暮らした赤江瀑という人物について語られている。
2020/09/06
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