赤江瀑の世界: 花の呪縛を修羅と舞い
赤江瀑の世界: 花の呪縛を修羅と舞い / 感想・レビュー
HANA
赤江瀑による小説や随筆、同業者や関係者の思い出や影響、そして作品ガイドとまさに赤江瀑の世界を紹介する手引書に相応しい出来となっている。赤江瀑は最初に「海贄考」を読んで仰天し、その後『海峡──この水の無明の真秀ろば』を読んで以来後を追っているのだが、こういう形でガイドされるとどれも読みたくなり堪らなくなる。ほぼ絶版なのが惜しまれるなあ。特に収録されている二作品「花曝れ首」と「破片B 阿片のように匂やかに」は著者の世界観が端的に示されているので、今から著者の世界に触れる人は是非読んでもらいたいと思った。
2020/11/24
ハルト
読了:◎ 赤江瀑の魔に引き寄せられたかのような世界。そんな彼の世界に魅せられ幻惑された各々著名人たちが、赤江瀑について語るファンブック。作品ガイドとしても優秀で、作品キーワードに全作品リストが載っており、これから赤江に耽溺しようとしている人間にとっては、指針ともなり、とてもありがたい本でもある。一度捕らわれたら逃れられない赤江の世界においでやす、と誘われる一冊。
2021/02/17
宙太郎
ずいぶん昔,まるで中毒したかのように氏の文庫本を読み漁ったことを思い出した。氏でなくては決して書きえなかった美しく,妖しく,おぞましい作品群。もう一度読み直してみたい。
2021/09/15
冬薔薇
久しぶりの赤江瀑の世界、ここから幻想と妖美、皆川、山尾他の作家に広がっていった読書。当時一度はまったら次々と本を探したものだった。ブックオフからネットの古書店、魅入られ買っていた。浅井仁志氏のページはいろいろ知ることができて良かった。ベストは決められないが、「花曝れ首」は特別、いつ読んでも何回読んでも名作。
2020/08/07
三谷銀屋
赤江瀑の短編、随筆、「長谷川敬」名義の詩と、赤江瀑と親交のあった人々の論考や作品評など。私は十代の頃に「猟奇文学館」に掲載されていた「女形の橋」に強烈な衝撃を受け、赤江作品を何作か読んだ記憶がある。赤江瀑に憧れた作家達の対談やエッセイを読むと十代の時に赤江瀑の妖美の世界に傾倒したという人も多かった。やはり、自分が何者か分からずに惑う思春期にこそ、赤江瀑の描く怪しく絢爛な世界に感応しやすいのかもしれない。短編小説「花曝れ首」を読み、哀しく苦しく怖く美しいこの世界観は、やはり唯一無二の世界なのだと納得した。
2020/07/23
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