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推し、燃ゆ

推し、燃ゆ

推し、燃ゆ

作家
宇佐見りん
出版社
河出書房新社
発売日
2020-09-10
ISBN
9784309029160
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「推し、燃ゆ」のおすすめレビュー

松坂桃李主演『あの頃。』 原作の続編――ハロプロを推すヲタたちの情熱と行動力に感服!

『僕らの輝き ハロヲタ人生賛歌』(劔 樹人/イースト・プレス)

 昨今、「群雄割拠」という形容が相応しい女性アイドル界隈だが、彼女たちのルーツを探るとかなりの確率で「ハロー!プロジェクト」(以下、ハロプロ)に辿り着く。現在活躍しているアイドルにインタビューすると、ハロプロに憧れてアイドルを志したという女性が多いのである。

 97年にモーニング娘。がデビューしたのを契機に、つんく♂のプロデュースのもと、松浦亜弥、Berryz工房、メロン記念日など、多くのスターを輩出したハロプロ。そのハロプロを推す(応援する)ファンを「ハロヲタ」呼ぶ。本書『僕らの輝き ハロヲタ人生賛歌』(劔 樹人/イースト・プレス)は、ハロヲタの熱狂的な「推しっぷり」にフォーカスを絞ったコミックエッセイだ。

 著者の劔樹人(つるぎ・みきと)は当然ハロヲタで、かつベーシストとしても活躍中。エッセイスト・犬山紙子氏の夫でもある。彼は前著『あの頃。男子かしまし物語』(イースト・プレス)でも、愛すべきハロヲタの生態を描いていたが、本書はその続編とも取れる内容だ。なお、前著を原作にした松坂桃李…

2021/2/26

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推しがファンを殴って炎上!? 『推し、燃ゆ』の主人公に見る、切実な自尊心の保ち方【芥川賞受賞作】

『推し、燃ゆ』(宇佐見りん/河出書房新社)

 最年少での三島由紀夫賞を受賞した宇佐見りんさんの2作目にして、芥川賞にノミネートされた『推し、燃ゆ』(河出書房新社)はタイトルどおり、推しが燃える、すなわちSNSで炎上する話である。主人公のあかりは高校生。就職活動をしているのか、と問われるシーンがあるからたぶ3年生。勉強やアルバイトだけでなく、生きる上で必要なあらゆることが「普通に」「ちゃんと」できなくて、唯一頑張ることができるのが、「まざま座」というアイドルグループのメンバー・上野真幸を推すこと。推す、という言葉が普及したのはつい最近のことだと思うけれど、ハマるとか追いかけるとかファンとか、そんな言葉では代替できない強さと熱がそこにはあるのだと、本書を読んでいるとよくわかる。

 推し方は、人によってもちろん異なる。あかりのスタンスは〈作品も人もまるごと解釈し続けることだった。推しの見る世界を見たかった〉。それは恋愛とはちがう。あかりの友人・成美は有名なアイドルグループから地下アイドルに推し変し「触れ合えない地上より触れ合える地下」で推しとも「繋がる」こ…

2021/1/11

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担任がゆかな先生だったらよかったのに/今月の1冊『推し、燃ゆ』

 人気声優・ゆかなが、先生役に扮し、視聴者に時に親身に、時に厳しく、様々なことを教えてくれるネット配信番組「担任がゆかな先生だったらよかったのに」。同番組の内容の一部をお届けします!

 番組内のコーナー「今月の読書タイム」では、毎月ゆかな先生が実際に読んだ1冊を紹介。今回は第164回芥川賞を受賞し話題となった『推し、燃ゆ』(宇佐見りん/河出書房新社)の感想を語ってくれました。

【あらすじ】学校生活も家族関係も上手くいかない日々を送る、高校生のあかり。そんな彼女にとって唯一の生きがいは、「推し」であるアイドルグループ「まざま座」のメンバー・上野真幸を追いかけ、彼を“解釈”することだった。そんなある日、その「推し」がファンを殴って炎上したというニュースが飛び込んできて─。

 ゆかな先生が一言感想としてスケッチブックに書いたのは「尊い。」の文字。「尊い」とは、キャラクターや作品に対して「萌え」を通り越して信仰心に似た強い感情を抱いている状況を表すときに使われますが、ゆかな先生はどう感じたのでしょうか?

◆  ◆  ◆  自分を「自分以外の何か」で埋めようとする…

2021/4/21

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「2021年本屋大賞」決定!! 大賞は町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』 全ノミネート作の順位を発表!

 全国の書店員が選ぶ、いま一番売りたい本を決める「本屋大賞2021」の受賞作が4月14日(水)決定した。

 18回目となる今回のノミネート作品10作の中から大賞に選ばれたのは、町田そのこ氏の『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)!

2021年本屋大賞受賞作 『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)

『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ/中央公論新社)

翻訳小説部門の大賞は『ザリガニの鳴くところ』(ディーリア・オーエンズ:著、友廣純:訳/早川書房)

気になる残り9つのノミネート作品は?

2位『お探し物は図書室まで』(青山美智子/ポプラ社)

3位『犬がいた季節』(伊吹有喜/双葉社)

4位『逆ソクラテス』(伊坂幸太郎/集英社)

5位『自転しながら公転する』(山本文緒/新潮社)

6位『八月の銀の雪』(伊与原新/新潮社)

7位『滅びの前のシャングリラ』(凪良ゆう/中央公論新社)

8位『オルタネート』(加藤シゲアキ/新潮社)

9位『推し、燃ゆ』(宇佐見りん/河出書房新社)

10位『この本を盗む者は』(深緑野分/KADOKAWA)

「本屋大賞」に選ばれた作品は…

2021/4/14

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推し、燃ゆ / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

文体の成熟度、完成度は極めて高い。言葉の紡ぎだす世界の信頼度もまたそうだ。その意味では、タイプは全く違うが、『日蝕』でデビューした頃の平野啓一郎を思わせないでもない。ただ、その一方で、内容的には随所に矛盾を孕んでもいる。そもそも、あかりは「推し」に全てを投影しながらも、それに溺れることはなく、いたって自己内省的でクールに冷めている。また、高校を中退した学力と、分析的な思考との乖離もまた大きい。すなわち、この小説は自分自身の存在意義を投影によって確認しようとしつつ、崩壊の予兆を最初から予見していた⇒

2021/06/30

ろくせい

自己を問う物語。古くからの主題。しかし、まさに今でしか紡げない作品。主人公の思考表現は、重々しくないが決して軽いものでもなく、宇佐美さんの筆力に感服。自己形成の軸には他者が不可欠。主人公のそれは「推し」。「推し」への利他性を、切ないまで惜しみない利己で発する。偶像である「推し」は別世界の存在。一方「推し」は近親の人間。理想と割り切る「憧憬」の偶像が、現実の生活に「共生」としてが入り込み、この自己意識での曖昧な距離感が、自己を形成する過程を複雑にするのか。いつの時代も人間は自己を支える利他を求めるだろうか。

2021/05/01

いっち

女子高生である主人公の推しメンが、炎上した。推しは男女混合グループに所属する男性。炎上した推しは、記者会見をし、グループ内選挙で最下位になり、熱愛発覚し、グループ解散し、芸能界引退という散々な展開。既視感のある光景。「推しのいない人生は余生だった」と言う主人公は、言い過ぎな気もするが、誰もが経験する通過儀礼のようだと思った。だからこそ、生きる意味である推しを失った主人公が、これからどう生きるのか気になった。推し変するのか、推し活から引退するのか、推しの芸能界復帰に尽力するのか。その後の展開が気になる作品。

2021/01/09

うっちー

現代の若者らしい作品(おじさんには理解できない面も)。文章力、表現力が凄く、将来楽しみな作家です。

2020/11/13

fwhd8325

前作「かか」でも感じたけれど、この人の文章は魂のようだ。延々と続く語りは、読者のエネルギーを奪い、それを力にしてさらに拍車をかけているようだ。本当にすごい作家が現れたと思います。

2020/12/04

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