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されく魂 ; わが石牟礼道子抄

されく魂 ; わが石牟礼道子抄

されく魂 ; わが石牟礼道子抄

作家
池澤夏樹
出版社
河出書房新社
発売日
2021-02-20
ISBN
9784309029450
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されく魂 ; わが石牟礼道子抄 / 感想・レビュー

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いつでも母さん

ふぅ・・池澤夏樹さんの石牟礼道子さんへ捧ぐ崇拝と言う愛だと感じた。愛と言わずして他に替わる言葉が無い私の語彙力(泣)石牟礼さんの作品は全身全霊で向かわないと飲み込まれてしまう。内から迸る思いが石牟礼さんの言葉でこちらが打ちのめされる感じだ。ただ感じたい。いつでもどこからでもその魂を感じることができる唯一無二の存在なのだと思う。国語は難しく、感じ方はそれぞれで正解は人の数だけあるようにも思うが、石牟礼さんがこの世界に居たという事実を幸福と呼ぶ。

2021/08/15

ぐうぐう

池澤夏樹がこれまで発表してきた石牟礼道子論を一冊にした『されく魂』。「さまよう」を意味する水俣の言葉で「されき」があり、石牟礼道子がそれに「漂浪く(されく)」と漢字を当てたことから取られたタイトルだが、水俣の「されく」が「ほっつき歩く」という意味合いもあるように、石牟礼の「漂浪く」も「波浪に漂う」よりかは「内的な衝動のままどこかに向かってひたひたと歩く」ことを意味しているようだ。「むしろどこかから去ろうと歩く」と池澤は説く。(つづく)

2023/06/08

algon

池澤夏樹は自ら編纂した世界文学全集に「苦海浄土」を追加し、後年日本文学全集に「椿の海の記」を入れた。両全集に名を残したのは石牟礼道子一人だ。石牟礼の死後、池澤は対話集として「みっちんの声」、石牟礼論集として本書を出版した。池澤の功績は「苦海浄土」の存在はあまりにも大きいがそれだけでは石牟礼を理解できないという点において石牟礼読者の輪を広げたところにある。触発され石牟礼系の数々の著作を座右にしながら読んできた。本書も区切りとして楽しみだった。しかし理解すべく読んでもやはりその枠に収まらないのが石牟礼だった。

2022/05/01

池澤夏樹が石牟礼道子について書いた文章をまとめたもの。石牟礼道子という大きな存在を、著者がどのように考えてきたかの思索の跡が見え、興味深い。悩み、言い換え、引用を通して何とか言葉にしてみようとする。その姿に石牟礼道子の文学の豊かさが見える。何より引用された文章がすべて美しい。

2021/04/28

本波

魂が揺さぶられる様を感じた。ものすごい熱量だ。今は10分の1も理解できた気がしないが、「苦海浄土」を読めば、少しは近づけるのだろうか。 自分を振り返ると、子どもの頃、大きな衝撃を受け、刻まれたのが水俣だった。その後、表面的なニュースに触れることはあっても、大人になった今でも、それは、私の中で、未解決のまま、そのままだったのだと、実感した。

2022/03/27

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