薔薇色の門 誘惑 ; 遠藤周作初期中篇
薔薇色の門 誘惑 ; 遠藤周作初期中篇 / 感想・レビュー
うののささら
今回も懐かしい記憶がよみがえるな。まだ世の中のことなにも知らなかった青春時代、経験しないとわからないがこういうものかなと思った記憶がある。受験ってたしかに人生の分岐点だな。一つの目標を定め打ち込める季節。関門を乗り越えた人間と疑問を持って足踏みした人間。人生において受験とはくぐらなければならない壁。超えなければ次に行けない。そんなこと10代で誰もわからない。人の話を素直に聞ける気持ちで人生変わったな。人生とは誰もが挫折障害に傷つきながら生きている。思いがけないものに巻き込まれ、偶然からどうなるかわからない
2022/01/03
スリカータ
亡くなって四半世紀。私の10代は、遠藤周作さんの本を片っ端から読み漁った。本書に収められた二つの作品も既読だと思うけど、記録しておらず確証がない。これが「私が・棄てた・女」に繋がるのか。貧しさ、裏寂しさ、野心、嫉妬、遠藤文学の要素が散りばめられており、唯一無二の作家と再認識した。女性の話し言葉や手紙の文体が、昭和の品の良さを感じさせた。今はなき過去の遺物だ。
2022/01/06
とももも
遠藤周作さんに出てくる登場人物は、ほんとうに人間くさく、不器用だと感じる。 人生って色々あるし、狡さだったり、憎しみだったり、妬みだったりの感情が渦巻いているけれど、その感情をもつのは決して無駄じゃないし、そうやって生きているんだな。
2022/12/17
がんもどき
二篇の中篇からなる。戦争中に受験を経験した主人公が弟に出す手紙の体裁を取った「薔薇色の門」は、広島の学校に行った友人やなにくれと心配してくれる友人の姉という、先が続いたら話が膨らみそうな登場人物が出ているだけに話が続いていたらと残念に思う。もう一編の「誘惑」は服飾業界を舞台にどろどろした人間関係を描いた話で、出世の為に手当たり次第に周りを利用する男女が出てくる。戦後の風俗の様子がもの珍しくて、こちらも続いていたら面白い本になっていたろうことを残念に感じるものだった。
2022/05/04
peace land
昭和初期の社会や遠藤周作の価値観の形成などが推測できて、文書は読みやすく、懐かしいような楽しい読書だった。
2021/12/24
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