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薔薇色の門 誘惑 ; 遠藤周作初期中篇

薔薇色の門 誘惑 ; 遠藤周作初期中篇

薔薇色の門 誘惑 ; 遠藤周作初期中篇

作家
遠藤周作
出版社
河出書房新社
発売日
2021-11-26
ISBN
9784309030067
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薔薇色の門 誘惑 ; 遠藤周作初期中篇 / 感想・レビュー

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うののささら

今回も懐かしい記憶がよみがえるな。まだ世の中のことなにも知らなかった青春時代、経験しないとわからないがこういうものかなと思った記憶がある。受験ってたしかに人生の分岐点だな。一つの目標を定め打ち込める季節。関門を乗り越えた人間と疑問を持って足踏みした人間。人生において受験とはくぐらなければならない壁。超えなければ次に行けない。そんなこと10代で誰もわからない。人の話を素直に聞ける気持ちで人生変わったな。人生とは誰もが挫折障害に傷つきながら生きている。思いがけないものに巻き込まれ、偶然からどうなるかわからない

2022/01/03

スリカータ

亡くなって四半世紀。私の10代は、遠藤周作さんの本を片っ端から読み漁った。本書に収められた二つの作品も既読だと思うけど、記録しておらず確証がない。これが「私が・棄てた・女」に繋がるのか。貧しさ、裏寂しさ、野心、嫉妬、遠藤文学の要素が散りばめられており、唯一無二の作家と再認識した。女性の話し言葉や手紙の文体が、昭和の品の良さを感じさせた。今はなき過去の遺物だ。

2022/01/06

ピンガペンギン

「薔薇色の門」のみ読んだ。一浪中の弟への兄(三浪して合格した)の書簡体の小説で、大学受験生が読む雑誌に1958年に発表されたものなので、遠藤周作も制約を受けて書いたと想像される。何度も受験に失敗する兄の心情、甘えなどが描かれている。遠藤周作は結局、旧制高校合格を諦めて慶應に入学。旧制高校に合格していても小説家になっていただろうか。

2024/04/02

桜もち 太郎

遠藤周作の初期の中篇2作。「薔薇色の門」は、受験を控えた年の離れた弟への手紙形式の作品。受験雑誌に掲載されたこの作品は、人生には一切の無駄はないとの作者の心情が色濃く出ている。受験に失敗した過去を赤裸々に弟に伝える兄。挫折、嫉妬、仄かな恋心、人生には無駄はない。「誘惑」は成り上がるためには何でも利用しる青年と少女。『そんな生活に、お前は満足なのか。それが本当の生き方といえるのか』『なんと憐れな、なんと惨めな人生だろう』との一文はクリスチャンである作者らしい言葉だと思った。久しぶりの遠藤作品は新鮮だった。

2023/12/19

とももも

遠藤周作さんに出てくる登場人物は、ほんとうに人間くさく、不器用だと感じる。 人生って色々あるし、狡さだったり、憎しみだったり、妬みだったりの感情が渦巻いているけれど、その感情をもつのは決して無駄じゃないし、そうやって生きているんだな。

2022/12/17

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