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嫌いなら呼ぶなよ

嫌いなら呼ぶなよ

嫌いなら呼ぶなよ

作家
綿矢りさ
出版社
河出書房新社
発売日
2022-07-26
ISBN
9784309030487
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「嫌いなら呼ぶなよ」のおすすめレビュー

綿矢りさ節炸裂! コロナ禍の“明るすぎる人間の闇”に迫る痛快短編集『嫌いなら呼ぶなよ』

『嫌いなら呼ぶなよ』(綿矢りさ/河出書房新社)

 コロナ禍という異質な時間は、私たちの脳みそを確実に狂わせたと思う。未知のウイルスに怯え、他人との接触を避け、家の中に引きこもった人はもちろんのこと、「コロナなんて怖くない」と以前と変わらぬはずの生活を送ってきた人も、その人の中で何かが壊れた。周囲を見渡すと、コロナ禍前よりも面倒な人間が増えてしまったように感じるのは決して気のせいではないだろう。

 コロナ禍が生み出した心の闇、それも“明るすぎる闇“に切り込むのが、『嫌いなら呼ぶなよ』(綿矢りさ/河出書房新社)だ。4編の短編に登場するのは、かなり厄介な人たち。美容外科通いがやめられない整形女子、素人YouTuberを好きすぎるあまりアンチ化する粘着ファン、不倫男とその男を断罪するサレ妻の親友たち、決して非を認めない作家とフリーライターと編集者……。現実社会では絶対に関わりたくはないが、その脳内がどうなっているかはちょっぴり気になる。そんなクセの強い人たちの危ない思考回路を、芥川賞作家・綿矢りさは毒々しくも、ポップに、軽妙な語り口で描き出していく。

 たと…

2023/3/28

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嫌いなら呼ぶなよ / 感想・レビュー

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starbro

綿矢りさは、新作中心に読んでいる作家です。 著者の最新作は、クセの強い人たちの短編集、オススメは、『眼帯のミニーマウス』&『老は害で若も輩』です。 薄い短編集ながら、パンチがあります🥊 https://book.asahi.com/article/14684399

2022/09/06

さてさて

『純文学の作家とはこんなにもめんどくさい生き物なのだろうか』。そんな自虐的な言葉が踊る書き下ろしの短編を含めた四つの短編が収録されたこの作品は、真っ赤な表紙に水色のドット、そこに巨大な字で「嫌いなら呼ぶなよ」と記された表紙がインパクト絶大です。そこには、毒々しいまでにとんがった物語世界が描かれていました。コロナ禍を痛烈に見る視点がとても新しいこの作品。極めて読みやすい物語の中に、とんがった表現が際立つこの作品。どこまでも吹っ切れた切り口の先に世の中を鋭く見据える綿矢りささんの凄みを見た、そんな作品でした。

2024/01/25

まこみや

「どいつもこいつも心のタガがぶっ壊れていて、こんな奴が周りにいたら面倒だぜ」「反面、今の社会では依存症から誰しも無限ループの悪循環にハマってしまう恐れがあるよね」「確かに。彼らの語るリクツは筋が通らないけど、妙に納得させられることがあってオモシロイ」「それはジコチューなチャラい語り口のせいかも」「深刻さは裏返せばドタバタに通じるってことかな」「綿矢りさってこんなんだった?何だかイメージと違ったなあ」

2022/09/23

うっちー

最後の短編はノンフィクションぽくって、面白かった

2022/09/01

やっちゃん

綿谷りさの毒舌冴え渡る。現代の若者をとことん馬鹿にした上でぶった斬る。いまどきの若者の生態を極端に表現したらこうなるのか?どうかは知らんけどお笑い小説として楽しめるし、純文学ならではの細かな心情の描写はさすが。

2023/05/20

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