KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

フィネガンズ・ウェイク 3・4

フィネガンズ・ウェイク 3・4

フィネガンズ・ウェイク 3・4

作家
ジェイムズ・ジョイス
James Joyce
柳瀬尚紀
出版社
河出書房新社
発売日
1993-10-01
ISBN
9784309202280
amazonで購入する

フィネガンズ・ウェイク 3・4 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

NAO

Ⅲでは、ハンフリーとアナの息子ショーンが話の中心人物となるが、部分的に理解できても、話はやはりわけのわからないところへと流れていく。ジョイスは、ハンフリーとアナをアイルランドに深いかかわりのあるトリスタンとイゾルデになぞらえているだけでなく、ハンフリーはダブリンの街であり、アナはダブリンを流れるリフィー川でもあるという。ならば、これは男女の愛を描いた作品か、ダブリンの街そのもの話なのだろうか。長々とした話の最後は冠詞の「the」で終わっており、話はまた最初へ戻って繰り返す。

2016/10/16

田氏

これは邦訳であるが、ジョイス語のヤナセ語訳であって日本語訳ではない。よって、日本語訳なり副読本なりと交互に読み比べないと読めない。しかしそうしているうちに、わかってくることがある。これを「読めない小説」たらしめているのは、過剰な言葉遊び以上に、暗喩やほのめかしに用いられる膨大な固有名詞や神学用語によるところが大きいのだ。言うなればこれは、欧米とりわけダブリンの知識人に向けた、壮大な内輪ネタなのだ、きっと。その滋味を日本にローカライズするには必然だったのだ、本書に唐突に信濃川や中央線や上野毛が登場するのは。

2019/05/27

山口透析鉄

内容を読み解けたかというと当然ながら甚だ疑問でしたが、ただ、第4章は何か、綺麗で良かったですね。 ディレイニーとかもこういう循環小説(結末が冒頭につながる。ダールグレン、ですね)は書いていて、確かに小説の究極形態でしょうが、王道かといえば、まぁ正直、ちょっと違うような気はしますね。 文庫化もされているようなので、再挑戦したいのはやまやまですが、ユリシーズ等を先に読むべきでしょうね。

2001/07/25

j1296118

斯くも厄すも泰平んだったに創意無いが、要務側も双頭にナン偽する琴は、四面総べ手を倦め尽くす駄洒落校正で蟻、鵬訳本に老いて蚊程馬でに黄泉降すに土岐を擁したのは左近稀な歩度であった。 などと真似にもなっていない下手くそな真似事を試みても、一厘も理解できた気がしない現状が変わるでもなく。再読を……当分先にしよう。今、尋常な文章がとても恋しい

2014/05/29

みみずばれ

上下巻合わせてP753の大作であるが最初の一行目から最後の最後までさっぱりわけが分からなかった。こんなにわけが分からないのはウィリアム・バロウズ以来。ところどころ馬の話をしているとか下の話をしているとか女性の愛の告白のようだといった想像はつくのだがいつの間にかやっぱりわけが分からなくなってしまう。ある意味他には無い読書体験だがなかなかしんどかった。ちなみに原書では最後の単語は冠詞の「the」であり、それが冒頭の一単語目にかかって円環を成す構造になっているらしい。ジョイスさんやりたい放題である。

2014/07/21

感想・レビューをもっと見る