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ラウィーニア

ラウィーニア

ラウィーニア

作家
アーシュラ・K・ル=グウィン
谷垣 暁美
出版社
河出書房新社
発売日
2009-11-13
ISBN
9784309205281
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ラウィーニア / 感想・レビュー

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Die-Go

追悼ル=グウィン。イタリアの古代叙事詩『アイニーウス』を題材に取り、イタリアのある女王ラウィーニアの生涯を描く。前回読んだ時にはつまらなく感じてしまい、途中で投げ出してしまったのだが、今回は思っていたよりも物語の中に入り込むことができ、楽しめた。ル=グウィンが70歳を越えてからラテン語を習得し、コツコツ読んでいったとあり、感服。幾つになっても人は学習できるものだ。★★★★☆

2018/02/25

akio

ル・グウィン版「アエネーイス」。といってもウェルギリウスを読んだことは無いので、単に知識としてそういうものかと読みました。神話のような、幻想的ファンタジーのような不思議な世界観です。神秘的な森に迷いこんだような感覚でしたが、登場人物たちが骨太で芯の通った内面をみせるので、夢幻のような世界と歴史世界とが重なりあう多重的な構成も感じました。母と娘など色んなテーマも織りまぜられていたと思います。「アエネーイス」では僅かな出番しかない(らしい笑)ヒロイン目線で語られる、古くも新しい壮大な物語に魅了されました。

2017/02/17

星落秋風五丈原

『アエネーイス』は自らの統治の正当性を明確にするためにアエネーイスの末裔を自称する時の為政者・アウグストゥスの命により、未完のまま刊行された。戦の度に傷つく人々や平和を維持するために無名の人々が果たした役割などはクローズアップされない。未来においてどんなに名著と崇められても、途中でウェルギリウスが死んだのでは、彼の意図すら置き去られた不遇の書だったのではないか。その書で一切言葉を与えられなかったラウィ―ニアの姿を借りて、ル・グウィンは、ウェルギリウスが本当に書きたかった物語を見事に引き継いだと言えよう。

2014/05/17

波璃子

アエネーアスではなくその妻ラウィーニア視点。「アエネーイス」を読んだことがないのでそのまま受け入れて読んだけど先に読んでいたら印象が違ったのかなと思う。詩人からラウィーニア自身が書かれている詩を聞いて運命を知るというすごい展開。でもきちんとまとまっている。ラウィーニア視点かと思いきや物語の中の存在としての「ラウィーニア」からの視点に変わる所もあって難しかったけど物語の縦への広がりは壮大だった。静かに淡々と進む人生の流れにこそキャラクターのリアリティや息づかいが感じられると思った。

2015/09/07

愛玉子

ウェルギリウスが『アエネーイス』でわずかに触れただけの女性・ラウィーニアの人生が、豊かに美しく描き出されている。予言がすべて成就していく残酷さに悩み躊躇しながらも、それに流されることなくしなやかに生きる強さ。決して超人的なわけではない、普通の女性としての強さが美しい文章から滲み出してくる。御年80歳とは思えないほど力強く芳醇な文章が、決して薄くはない本をぐいぐい読み進ませてしまう。以前読みかけて挫折した『アエネーイス』に再挑戦してみようという気になった。

2010/05/15

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