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トリステッサ

トリステッサ

トリステッサ

作家
ジャック・ケルアック
青山南
出版社
河出書房新社
発売日
2013-08-26
ISBN
9784309206288
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トリステッサ / 感想・レビュー

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こばまり

冒頭から場面が頭に入って来ず日を置いて二回仕切り直すという体たらく。ところが三度目の正直で読み始めた途端、ケルアックの即興演奏に心地よく揺さぶられてしまいました。実在したトリステッサ(本当の名前はエスペランサ)を様々に描写している中、ぐっときたのは、『遠い国から来た若い男がいっしょにいたいと願うようなかわいい女』。

2014/07/30

スパイク

ヤク中、アル中には親近感があって、厭世的で退廃的なのにも共感できるのだが、よさがわかりませんでした。(オンザロードも挫折)中島らもさんも似たところあるけれど、彼には読者を楽しませてやろうという気持ちがあるのに対して、この人のは頭から出てくるものをそのまま書きつけている(から素晴らしいとも言えるんでしょが)だけで伝わらなかった。世の中には、自分よりもっとアナーキーな奴がいるな~くらいでした。

2014/12/06

erierif

最初に書いた文章が最高ということで、ジャズのように一発勝負的に書かれた作品。トリステッサ(悲しみ)という名前の美しい女性との話。読み始めからもう墜落まっしぐらの恋…何が悪いわけでなく不幸になりつつあるトリステッサになすすべもなく読み終えた。オン・ザ・ロードのディーンと同じくトリステッサとの結末もせつない。動物と一緒の生活や仏教の言葉が、貧困の生活を逞しくも優しく包むように描かれていた。

2013/10/01

vierge

久しぶりに小説が読みたくなり、ビート文学はあまり興味がありませんでしたが、蛍光ドピンクの装丁に惹かれ初めて読みました。猫のことを「ゴロゴロマシーン」と表現しているのに笑いと感心を抱きました。宗教性も高いと思いますが、ドラッグの扱い方も高尚なので読みやすくて良かったです。「生まれたのは死ぬため、美しいのは醜くなるため、急ぐのは死ぬため、喜ぶのは悲しくなるため、狂うのは召されるため」というのは逆だと思う(´Д`) タイトルの「トリステッサ」は作中最高に魅力的です♡

2017/01/23

葛西狂蔵

ケルアックを読むにはちょっとしたコツがある。なるべく中断するのを避け、センテンスの意味を深く探る事はしない、ただセンテンスの奔流を眺め身を任せる事だ。チャーリーパーカーのバップに身を任せる様にだ。なんて癖のある文体と取り留めのない語りは間違いなく読み手を選ぶ。基本的には【私】の垂れ流しなのだが、独特の文体のリズムと退廃的な叙情性はケルアック独自で、好きな人間には堪らない魅力がある。要するに、俺は大好きだな。

2015/08/18

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